【QUICK Market Eyes 片平正二】15日の米国市場でハイイールド債を投資対象とするiシェアーズ・iBOXXハイイールド社債ETF(HYG)から大規模な資金が流出した。QUICK FactSet Workstationによれば4億3324万ドルの資金流出となった。HYGは米大統領選挙前に流出傾向にあったが、11月中旬には流入に転換。しかし、15~16日の米連邦公開市場委員会(FOMC)を前に再び流出基調に転じている。
※iシェアーズ・iBOXXハイイールド社債ETF(HYG)の資金流出入。QUICK FactSet Workstationより
この日の米国市場でHYGは0.31%高の86.97ドルで小幅に続伸した。米主要指数が新型コロナウイルス(COVID-19)に伴う追加経済対策の協議に対する期待感から堅調な中、一時は87ドルまで上昇して3月4日以来、9カ月ぶりの高値水準を回復して新型コロナの世界的な感染拡大を受けて急落する前の水準まで戻していた。米長期金利が0.9%近辺でやや上昇に一服感がある一方、QUICK FactSet WorkstationによればHYGの空売り比率は11月末時点で26.26%と比較的高い水準にある。FOMC前に相場がリスクオンの展開となる中、空売りの買い戻しで資金フローが流出基調にあることも考えられそう。