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投信ブロガーが選ぶ1位は?「Fund of the Year 2020」初のオンライン開催

投資信託について個人投資家の目線で情報収集し、自身の投信選びの考え方などを発信する「投信ブロガー」。本当によいと思える投資信託を投票で選ぶ年に1度のイベント「投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year 2020」(FOY2020)が16日夜に開催された。果たして1位に輝いたのは・・・。

■「eMAXIS Slim オール・カントリー」、2年連続1位に

投信ブロガーらがボランティアで運営しているFOYは今回が14回目。今年は新型コロナウイルスの感染拡大防止のため初のオンライン開催となり、当日の視聴者数は200人にのぼった。

投票権を持つのは2020年9月30日までにブログを開設した個人投資家で、一人あたり5ポイントを持ち点として最大5本のファンドに投票できる。投票期間は20年11月1~30日で、有効投票数は185。対象となる投信は20年10月31日までに設定されたファンド(国内外のETFなど含む)とした。

ランキング1位に輝いたのは三菱UFJ国際投信の「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」。業界最低水準を目指し続けるコストの低さと、これ1本で全世界の株式に分散投資できる利便性に支持が集まった。つみたてNISA(積み立て型の少額投資非課税制度)の対象商品でもあり、投票した投信ブロガーからは、「そんなに投資に興味はないけど何かしないといけないと思っている人へのファイナルアンサーだ」と評価された。

三菱UFJ国際の代田秀雄常務執行役員はビデオメッセージで、「コロナで相場が上下し、投信を持ち切ることができた方と売却してしまった方には(運用成果で)大きな差が出たことから、長期投資の良さが感じられる1年だった。これからも個人投資家との対話を大切に、長期投資の支援を続けていきたい」と語った。

■バンガードのETFに支持、「ひふみ投信」も躍進

2~5位は前年から順位が上昇したファンドが並んだ。3位には前年9位から順位を上げた「バンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT)」がランクイン。低コストかつ全世界株への分散投資を1本で実現できることや、投資家還元として毎年信託報酬が下がっていることから支持を集めた。

バンガード・インベストメンツ・ジャパンの小林賢代表取締役社長は書面で、「2009年にVTが1位を受賞し、その後も継続的に毎年入賞している。これからも生活に寄り添い、資産形成のコアとなることを目指す」とコメントした。昨年圏外だった「バンガード・トータル・ストック・マーケットETF(VTI)」も20位に入り、同社のETFに対する支持の強さがうかがえた。

5位のレオス・キャピタルワークスの「ひふみ投信」は前年14位から躍進した。同社の藤野英人社長は「『資本市場を通じて社会に貢献する』という企業理念のもと、末永く資産形成のパートナーとしてお客様を応援していきたい。基準価額10万円を達成できるようがんばっていく」とした。投信ブロガーからは「(コロナショック時に)現金比率を3割強まで高めた決断を評価する」、「(最近の資金流出で)受益者の質が元に戻り、今後さらに運用が良くなるのではと期待」といったコメントが寄せられた。

昨年は上位5本中4本を占めた「eMAXIS Slim」シリーズだが、今年は1位の「全世界株式(オール・カントリー)」を除き6位以下の順位に甘んじた。前年2位の「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」は9位に後退した。しかし依然として上位10本中5本は同シリーズが入賞しており、底堅い人気を継続している。

■初のオンライン開催、運用会社への信頼が順位に影響

前年に引き続きFOYの運営委員長を務めたイーノ・ジュンイチ氏は、「今年も順位に波乱があって、結果の絶妙さに運営委員も驚いた。全体の傾向として、これまでと同じく信託報酬などのコストを重視したなかで、投資のポリシーなどがきちんと投資家に理解されている投信が評価されている印象を受けた」と述べた。また今年は初のオンライン開催となったことから、「次回はリアルイベントとして会場でお会いできれば」という言葉で締めくくった。

イベント後にイーノ氏に話を聞くと、「(オンラインイベントの)ノウハウがないなかで、どうすればトラブルなく視聴する方々に楽しんでもらえるか、スタッフ一同手探りで相談しながら作るのが大変だった。運用会社の方々から快く動画(ビデオメッセージ)を送っていただき、内容的にも多くの人に楽しんでいただけたようで心からほっとしている」と振り返った。

運営委員のセロン氏は「コロナ禍で無事に開催できるのか不安を抱えつつ、夏から準備を進めてきた。オンラインでも今までと変わらないくらいの方に参加していただき、無事に投票結果を発表できたことを嬉しく思う」とコメント。投票結果については、「例年以上に運用会社や商品に対する信用・信頼が問われた年だった。来年に向けて、運用会社がどのように顧客の信用・信頼を獲得していくのか、引き続き注目していきたい」とした。

著者名

QUICK資産運用研究所 西本 ゆき


投資経験 3~10年
投資商品
国内株式 外国株式 投資信託

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2021/1/28 15:31

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