【QUICK Market Eyes 大野 弘貴】SMBC日興証券は20日付のストラテジー・リポートで、直近の株価上昇は合理性を伴っており、「バブル再来」ではないとの見方を示した。
主要国でワクチンの接種が始まっていることから、冬場のピークを抜けることで感染が鈍化する事と、バイデン米政権が3月末までに追加経済対策を成立させ、その経済効果が発現することで景気が回復するとの期待が強まると指摘した。
また、財政積極化の副作用として米金利が上昇し、株式市場の上昇を打ち消すとの懸念も急浮上しているとも紹介。それでも、金融機関に巨額の預金が滞留していることが運用圧力となり、米金利が上昇すると国債に対して押し目買いが次々と発生していることから「現時点では金利が持続的に上昇し続ける姿は描きづらい」とも指摘している。
リポートでは株価へネガティブな影響を与える米金利水準として、S&P500種株価指数の益利回りから米10年債利回りを差し引いたイールドスプレッドが1.5%が目途としてみなされやすいと推測している。同水準はVIXショックが発生した2018年初と同水準。