【QUICK Market Eyes 片平 正二、大野 弘貴】米株式相場が高値圏で不安定な値動きを続けている。要因の1つには個人投資家による買い仕掛けのような動きがあげられる。かつてないほど個人の売買動向に関心が向かう中、需給分析も進む。
■個人の上場株オプションコール買いが過去最高に=JPモルガン
JPモルガンは2日付リポートで米個人投資家は株式の購入について、株式ファンドから個別株やコール・オプションへの購入にシフトしていると指摘。世界最大の株式デリバティブ清算機関であるOCCのデータによると、1月最終週の個人投資家による上場個別株式オプションのコール買いは過去最高を記録したという。
これらの状況を踏まえJPモルガンは、リスク・リターンのバランスはここからさらに改善するのではなく、個人投資家の買い意欲減速に伴う株式市場の重要な支持を弱める可能性の方にシフトしていると指摘。
また、個人投資家によるコールオプションの購入が、取引の反対側にいる業者側のデルタヘッジ拡大をもたらし、より高いボラティリティを誘発する可能性があるとの見方を示した。
それでも、機関投資家は足もとにおいてリスク回避姿勢を鮮明にしていることから、「個人投資家の売りに対するある程度のクッションになり得よう」とも予想した。
■ゲームストップで波乱相場の中、顧客が米株を2週ぶりに買い越し=BofAセキュリティーズ
BofAセキュリティーズの2日付の顧客フローのリポートによると、同社の顧客は1月25~29日の1週間に米株を4億1100万ドル買い越した。2週ぶりに小幅買い越しに転じたことになる。この週はゲームストップ(GME)など空売りが多い銘柄に個人投資家の投機的な買いが入る一方、損失を抱えたヘッジファンドが他の資産を売るのではないかとの波乱要因が警戒されてS&P500指数が3.31%安で2週ぶりに急反落して終えた時だった。
主体別動向ではヘッジファンド(HF)が4億1900万ドルの売り越しで、4週連続の売り越しに。機関投資家は9億300万ドルの売り越しで、5週連続の売り越しだった。個人投資家は9億6100万ドルの買い越しで、2週ぶりに買い越しに転じた。企業の自社株買いは7億7100万ドルで、前週まで3週連続で10億ドル超を記録していた流れに一服感が出た。
傾向としてはヘッジファンドと機関投資家の売り越し基調が続いた一方、ネット証券のロビンフッド・マーケッツなど新興勢力を経由した個人投資家の買いが激しいとみられた割に、同社の個人投資家の買越額は比較的落ち着いていた。