【QUICK Market Eyes 大野 弘貴】みずほ証券は12日付の銀行セクターリポートで、2021年3月期第3四半期決算における上場地銀の投資信託解約損益を試算した。上場地銀合計の投資信託解約損益は前年同期比62億円改善の707億円、投資信託解約損益を除くコア業務純益は同7%増の8493億円、投資信託解約損益が実質業務純益に占める割合は同0.8%ポイント上昇した7.6%、コア業務純益に占める割合は同0.2%ポイント上昇した7.7%になった。
株式相場上昇の恩恵を受け、「投資信託解約損益が改善しただけでなく、実質・コア共に業務純益に占める割合も上昇した」という。一方、個別行毎に投資信託解約損益がコア業務純益に占める割合を見ると、最も大きい地銀は約60.6%にも達するなど、「投信解約損益の構成比が高い銀行ほど持続的な収益性が低い」。
リポートでは、「銀行の勘定科目のうち、有価証券利息配当金には『商品有価証券』及び『有価証券』の利息・配当金、投資信託の期中収益分配金等(解約、償還時の差益を含む)が計上されるため、投資信託解約損益は銀行のコア業務純益に含まれることになる。一方、国債や外債、REITの売却損益、投資信託の買取請求による売却損益などは債券関係損益(5勘定尻)に計上され、コア業務純益に含まれない。また、株式やETF(株式)の売却損益は株式関係損益(3勘定尻)に計上されるため、コア業務純益には含まれない」との解説が示されている。
その上で、「邦銀が投資信託(私募)への投資を行う理由の1つとして、会計上のメリットを享受できることが挙げられる」と指摘。「その他有価証券のその他」に計上される投資信託(私募)は含み益の投資信託を解約し、含み損の投資信託を保有し続けていればコア業務純益をかさ上げできるという。
一方、銀行法施行規則の改正によって、20年3月期上期以降、投資信託解約損益の金額を外部からでも計算できるようになったため、「銀行によってはコア業務純益の“過度な”かさ上げがし難くなった」との見方も示されている。
■21年3月期第3四半期累計、投信解約損益対コア業務純益比率の高い上場地銀(みずほ証券調べ、一部抜粋)
コード | 銀行名 | コア業務純益(100万円) | 投信解約損益 | 対コア業務純益 | 持株会社 |
8521 | 長野銀 | 2335 | 1415 | 60.60% | |
8362 | 福井銀 | 4540 | 2362 | 52.00% | |
8350 | みち銀 | 4496 | 2310 | 51.40% | |
8562 | 福島銀 | 1553 | 715 | 46.00% | |
山口銀行 | 21101 | 8478 | 40.20% | 8418山口FG | |
8365 | 富山銀 | 893 | 353 | 39.50% | |
8341 | 七十七 | 22615 | 8921 | 39.40% | |
きらやか銀行 | 5954 | 2170 | 36.40% | 7161じもとHD | |
もみじ銀行 | 8189 | 2794 | 34.10% | 8418山口FG | |
8392 | 大分銀 | 8193 | 2569 | 31.40% | |
8530 | 中京銀 | 3477 | 1080 | 31.10% | |
8537 | 大光銀 | 1902 | 584 | 30.70% | |
8343 | 秋田銀 | 4091 | 1144 | 28.00% | |
8563 | 大東銀 | 1755 | 467 | 26.60% | |
8386 | 百十四 | 8224 | 1692 | 20.60% |
このランキング上位はおのずと再編の可能性もまたたかいということか。SBIさんや野村さんの支援を受け入れる?