来週(2月22~26日)の東京外国為替市場で円相場は強含み、1ドル=104円台に上昇する場面がありそうだ。週内は相場を左右するような経済指標の発表は少ないが、米長期金利や原油価格の上昇に一服感が出始めており、円相場を支えるだろう。月末にかけて投資家の債券需要が高まりやすく、一段の金利上昇は見込みづらい。このところの米長期金利は急ピッチで上昇し、低金利下で水準を切り上げてきた株式市場では先行きを警戒する声も聞かれる。投資家が運用リスクを避ける動きを強めれば、「低リスク通貨」とされる円には買いが入りやすい。
一方、ペロシ米下院議長は18日に「来週終わりまでに追加経済対策案を下院で成立させる」との見方を示した。米追加経済対策の早期成立や新型コロナウイルスのワクチン普及による米景気回復への期待は根強く、上値を追う動きは限られそうだ。
同期間の東京株式市場で日経平均株価は2万9200円程度まで下落する場面がありそうだ。日経平均は15日、急ピッチな上昇で3万円の大台を回復した。来週にかけては過熱感から売りが出やすい。ソフトバンクG(SBG、9984)といった指数寄与度が高い銘柄への売りが膨らむ可能性がある。
日銀の株価指数連動型上場投資信託(ETF)買いを巡る不透明感も相場の重荷だ。18日は東証株価指数(TOPIX)の前場騰落率が前日比で0.54%安だった。TOPIXが前場終値で前日比0.50%以上下げると日銀が買い入れるとの見方がコンセンサスだったが、日銀は18日にETFの買い入れを見送った。市場では「3月に予定する金融政策の枠組み点検でETF買いの方針を見直すとの思惑につながり、投資家が買いを入れにくくなっている」(東海東京調査センターの関邦仁ストラテジスト)との指摘があった。
国内で新型コロナウイルスワクチンの接種が始まった。経済活動が早期に正常化するとの期待が高まり、ANAHD(9202)などの空運株や、JR東日本(9020)といった鉄道株への買いが相場の支えになりそうだ。23日は天皇誕生日で東京株式市場は休場となる。
【主な予定】
◇22日(月)
・1月の企業向けサービス価格指数(日銀、8:50)
・1月の主要コンビニエンスストア売上高(日本フランチャイズチェーン協会、14:00)
・清田日本取引所CEOの記者会見(15:30)
・2月の中国最優遇貸出金利(LPR、10:30)
・2月の独Ifo企業景況感指数
◇23日(火)
・天皇誕生日で東京市場が休場
・1月の中国70都市の新築住宅価格動向(10:30)
・ハンガリー中銀が政策金利を発表
・20年12月の米S&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数(23:00)
・2月の米消費者信頼感指数(24日0:00)
・海外10~12月期決算=スクエア
・海外11~1月期決算=ホーム・デポ
◇24日(水)
・20年12月の毎月勤労統計確報(厚労省、8:30)
・1月の白物家電出荷額(JEMA、10:00)
・6カ月物国庫短期証券の入札(財務省、10:20)
・1月の食品スーパー売上高(日本スーパーマーケット協会など、13:00)
・ニュージーランド中銀が政策金利を発表(10:00)
・1月の米新築住宅販売件数(25日0:00)
・海外11~1月期決算=エヌビディア
◇25日(木)
・20年12月の景気動向指数確報値(内閣府、14:00)
・1月の外食売上高(日本フードサービス協会、14:00)
・1月の全国スーパー売上高(日本チェーンストア協会、14:00)
・1月の百貨店売上高(百貨店協会、14:30)
・ジャスダック上場=アピリッツ
・韓国中銀の金融通貨委員会の結果発表
・週間の米新規失業保険申請件数(22:30)
・20年10~12月期の米実質国内総生産(GDP)改定値(22:30)
・1月の米耐久財受注額(22:30)
・1月の米仮契約住宅販売指数(26日0:00)
・ウィリアムズ・ニューヨーク連銀総裁が討議に参加(26日5:00)
・海外10~12月期決算=ビヨンド・ミート、エアビーアンドビー、ドアダッシュ
・海外11~1月期決算=セールスフォース・ドットコム
・フィリピンが休場
◇26日(金)
・閣議
・2月の都区部消費者物価指数(CPI、総務省、8:30)
・1月の鉱工業生産指数速報値(経産省、8:50)
・1月の商業動態統計(経産省、8:50)
・対外・対内証券売買契約(週間、財務省、8:50)
・3カ月物国庫短期証券の入札(財務省、10:20)
・2年物利付国債の入札(財務省、10:30)
・1月の建機出荷額(建設機械工業会、13:00)
・1月の自動車輸出実績(自工会、13:00)
・1月の住宅着工(国交省、14:00)
・2月の為替介入実績(財務省、19:00)
・マザーズ上場=coly
・ジャスダック上場=室町ケミカル
・20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議(27日まで、ビデオ形式)
・20年10~12月期のインド国内総生産(GDP)
・1月の米個人所得・個人消費支出(PCE、22:30)
・2月の米シカゴ購買部協会景気指数(PMI、23:45)
・2月の米消費者態度指数(確報値、ミシガン大学調べ、27日0:00)
・タイが休場
◇27日(土)
◇28日(日)
・2月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI、16:00)
・2月の中国非製造業PMI(16:00)
(注)時間は日本時間
〔日経QUICKニュース(NQN)〕