債券市場で、2022年中に米国のゼロ金利政策が解除されるとの見方が強まっている。QUICKが1日に発表した10月のQUICK月次調査<債券>で、米連邦準備理事会(FRB)の利上げ開始時期を聞いたところ、「22年後半」との回答が58%を占めた。続いて「23年前半」が23%、「22年前半」が10%だった。6月調査では6割以上の回答者が23年以降を予想していた。
新発10年物国債利回りの水準予想の平均は1カ月後(11月末時点)が0.095%、6カ月後(22年4月末時点)が0.102%と、前回調査に続き上方にシフトした。20年債や5年債、2年債の利回り予想も上昇した。
最も注目している債券価格の変動要因としては「海外金利」への注目度が最も高かったが、前回調査からは低下した。一方、「物価動向」の注目度は11%に上昇し、15年7月調査以来の高さとなった。資源価格の上昇などで、債券価格の下落(金利上昇)要因としてインフレ動向への関心が高まっている。
インフレの見通しは総じて上昇している。今後1年間のCPIコア変化率の予想平均は0.37%と20年2月調査以来の高さだった。一方、米国の個人消費支出(PCE)デフレーターコアの前年比上昇率を選択式で聞いたところ、21年に関しては「2~4%」が55%、「4~6%」が38%だったが、22年は「2~4%」との回答が75%を占めた。原油価格(WTI先物)の今年度の最高値は93.62ドル(平均値)と予想されている。
調査は10月26~28日に実施。債券市場関係者116人が回答した。