QUICK企業価値研究所アナリスト 小西慶祐(2022/02/03)
・現在「eKスペース」などのエアバッグの性能を確認中
会社側は3Q決算発表時(1月31日)に、22/3期通期の連結営業利益計画を600億円→700億円(前期は953億円の赤字)へ再度上方修正した。為替の円安に加え、販売対策費など販売費の削減が進んだことが主因。企業価値研究所も、会社修正計画と同額まで予想を増額する。3Q累計までの進捗、足元の為替水準を踏まえると、業績が更に上振れる可能性はあるとみるが、現在エアバッグの性能確認のため「eKスペース」など一部の軽自動車を一時生産停止しており、業績への影響が不透明なことを考慮した。なお、現在推進中の中期経営計画で翌23/3期に営業利益500億円を目指していたが、1年前倒しとなる今期にも大きく超過して達成する見通しであり、収益力の改善が着実に進んでいることを前向きに評価している。
・来期以降は為替の円安進行を踏まえ利益予想を増額
23/3期以降は、半導体不足が解消され、前述の軽自動車の問題も解決し、生産が正常化すると想定。その上で、為替レートの前提を1ドル=113円→115円と円安方向に見直し、営業利益予想を増額する。24/3期には、アセアンへの経営資源の集中による新型車投入効果が本格的に寄与するとの見方を継続する。
・リスクファクター ~新たな不正の発覚
・アナリストの投資判断 ~エアバッグの性能確認中で当面は手がけにくい
直近の株価に基づく翌23/3期の当研究所予想PERは7倍。同社の過去60カ月の平均PER9倍との比較では、割安感がある。ただ、現在エアバッグの性能確認のため「eKスペース」など一部の軽自動車を一時生産停止しており、業績への影響が不透明なため、当面は手がけにくいと考えている。
(提供:QUICK企業価値研究所)
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