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JSR(4185) 半導体材料やライフサイエンス部門が好調を維持

QUICK企業価値研究所アナリスト 伊藤健悟(2022/02/04)

・今期は従来通り大幅なコア営業増益を見込む
 22/3期の連結業績について企業価値研究所では、売上収益が継続事業ベースの前期実績比12%増の3500億円、コア営業利益が同42%増の540億円を予想する。部門別では従来予想を小幅修正したが、連結全体で見方に変更はない。半導体材料やバイオ医薬品の開発製造受託事業などを中心にデジタルソリューション、ライフサイエンスの両部門が好調に推移し、合成樹脂部門の回復やインプリア社買収に伴う評価益計上の効果とあわせて業績が大きく拡大しよう。続く23/3期以降も重点的に投資を進めているデジタルソリューションとライフサイエンスの両部門を中心に増収、増益基調を辿ると考える。

・主力製品の出荷拡大で3Qまで好調に推移
 22/3期3Q累計の連結コア営業利益は継続事業ベースで前年同期比45%増の423億円となった。半導体材料を中心にデジタルソリューション部門が順調な伸びをみせたほか、ライフサイエンスと合成樹脂の両部門も主要製品の出荷数量増や市況上昇で業績を拡大し、連結全体で好調に推移した。

・リスクファクター ~半導体市場の減速など

・アナリストの投資判断 ~高成長を追い風に、株価は再度上昇を見込む
 世界的な半導体関連銘柄の好調を受けて、同社の株価は20年半ばから大きく上昇。21年12月には上場来高値となる4500円台をつけたが、22年に入ると一転して軟調に推移している。直近では当研究所の来期予想連結PERで約19倍と、同社の過去の平均的な水準を下回る。金利上昇が高PER銘柄にとって逆風となっており、短期的には上値の重い展開が続きそうだが、エラストマー部門の譲渡により来期以降も高成長と資産効率の向上が見込める点を考慮すると、過去の平均並みとなる同23倍程度の評価は可能であり、株価は再度上昇に向かうと考える。

 

(提供:QUICK企業価値研究所)
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著者名

伊藤 健悟

シニアアナリスト

化学・繊維セクター担当


【プロフィール】
大阪大学経済学部卒業。山一證券入社、メリルリンチ日本証券を経て、現在に至る。
山一證券在籍時は個人向け営業に従事。マクロ、ミクロの両面からの事業環境・経営状況の分析に加え、その際に培った個人投資家の視点も重視しつつ、レポートの作成や講演などを行うことを心がける。


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