QUICK企業価値研究所アナリスト 小西慶祐(2022/02/09)
・原材料高や輸送費高騰で今期営業利益予想は減額
会社側は3Q決算発表時(2月2日)に、22/3期通期の連結営業利益計画を4400億円→4000億円(前期比2.6倍)へ下方修正した。新型コロナウイルスの感染再拡大や半導体不足の影響による自動車減産を反映した。企業価値研究所も、営業利益予想を4570億円→4100億円(同2.6倍)へ減額。原材料価格上昇や輸送費高騰による北米拠点の採算悪化を織り込んだ。ただ、自動車需要の回復が早まっているアジア拠点を強めにみたほか、4Qの為替レートの前提も1ドル=115円と会社想定(1ドル=105円)より円安水準に設定、会社計画を若干上回る予想とした。
・来期以降は為替の円安進行などから予想増額
続く23/3期以降に関しては、従来想定通り半導体不足は解消され、自動車生産は期を通じて正常なレベルに戻ると想定。その上で、為替の円安進行や、アジアでの拡販が進んでいることを評価、従来予想を増額する。従来想定より1年遅れの23/3期に営業利益で過去最高を更新する見通しとした。高採算なインバータを中心とした電動車用製品が利益の牽引役になると予想。第3世代を投入したADAS(先進運転支援システム)製品も、トヨタ(7203)以外へ拡販が進む可能性があり注目したい。
・リスクファクター ~品質費用、新型コロナなど
・アナリストの投資判断 ~利益成長期待から緩やかな株価上昇を予想
直近の株価に基づく翌23/3期の当研究所予想PERは14倍。過去60カ月(一過性費用が発生した20/3期と21/3期を除く)の平均とおおむね同水準にあり、割安感はない。ただ、電動車用製品やADAS製品の拡販による利益成長期待が大きく、今後は緩やかな株価上昇を予想する。
(提供:QUICK企業価値研究所)
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