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ツムラ(4540) 医療用漢方製剤は安定成長見込むが、一過性費用計上で利益は低迷

QUICK企業価値研究所アナリスト 真下弘司(2022/06/22)

・一過性費用計上で今・来期の利益は低迷
 企業価値研究所予想の23/3期の連結営業利益は前期比5%減の212億円。続く24/3期と25/3期の連結営業利益は、24/3期が前期比横ばいの212億円、25/3期は同19%増の252億円。国内医療用漢方製剤の安定した成長と海外(中国事業)の伸長を見込むが、23/3期と24/3期は一過性の費用(23/3期は期中稼働予定の天津工場初期費用、24/3期は米国における研究開発投資)を計上するため営業利益は低迷する見通し。25/3期は増収効果とそれら費用が一巡、営業増益を予想する。

・前期は11%増収、15%営業増益
 22/3期の連結業績は、売上高が前期比11%増の1295億円、営業利益は同15%増の224億円。主力の医療用漢方製剤が順調に推移したほか、ヘルスケアや海外(中国事業)が伸長。医療用漢方製剤の売上高は同8%増の1142億円。e-プロモーションが奏功、全129処方中110処方が21/3期を上回った。

・リスクファクター ~医療制度、原料調達など

・アナリストの投資判断 ~中国リスク・為替の動向に留意
 中国事業を成長ドライバー(現地企業のM&Aを検討)と位置付けており、また生薬調達の約8割を中国に依存。ロシアのウクライナ侵攻以降、中国事業に対するビジネスリスク(地政学的な緊張の高まりや人権問題など)や円安の進行などが投資家から敬遠されているようだ。主力の医療用漢方製剤は順調に推移しており堅調な株価推移を予想するが、中国リスク・為替の動向には留意が必要。

 

(提供:QUICK企業価値研究所)
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著者名

真下 弘司

シニアアナリスト

医薬品セクター担当


【プロフィール】
00年から現職。医薬品・医薬品卸等を担当。レポート作成に際しては、会社側開示情報に基づく数値分析に、個別取材等の足で稼いだ情報を加えて、平易な文章で誰が読んでもわかるようにと心がけている。また業績のほか、ESG(環境・社会・企業統治)などの観点から企業を評価できないか模索中。


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