QUICK企業価値研究所アナリスト 柊宏二(2022/07/27)
・会社計画比強めの今期業績予想を据え置く
22/11期上期の連結業績はほぼ会社計画線となり、会社は期初の22/11期計画(営業利益は前期比16%増の170億円)を据え置いた。企業価値研究所は会社計画比強めの22/11期予想(営業利益は前期比22%増の180億円)を据え置く。上期の業績、受注はやや弱めだったが、中国のロックダウンの影響がなければもう少し上積みできていた可能性が高く、悲観する内容でもないとみる。原材料価格高騰の影響は継続するが、中国での挽回や自動車分野の回復、円安効果等もあり、下期業績は回復を予想。会社計画は為替想定が引き続き保守的(通期1ドル=122円)で、上振れ余地があるとみる。
・来期・再来期の業績予想は小幅増額。円安を勘案
当研究所の23/11期、24/11期の業績予想は小幅増額。主に為替想定を円安に見直した効果を勘案した。対前期比では引き続き業績続伸を予想。23/11期に最高益更新を見込む。自動車、航空機関連の需要回復に伴う工具、ベアリング、油圧機器、ロボット等主要製品の販売増加を予想。業績水準の一段の向上には、EV化関連ビジネスの拡充、ロボットの収益性改善等が課題になるとみる。
・リスクファクター ~原材料価格上昇、中国経済等
・アナリストの投資判断 ~利益回復期待を下支えに徐々に持ち直すと予想
現状の当研究所の22/11期予想PERは7倍台。同社の過去の平均や現状の東証プライム市場の機械セクターの平均を大きく下回る。原材料価格高騰や中国の再ロックダウンへの懸念が燻るなど外部環境は厳しいものの、PERがこの水準から一段と低下するリスクは限定的とみる。今後の株価は円安を背景とした利益回復(来期最高益更新)への期待を下支えに底堅く推移し、徐々に持ち直す展開を見込む。
(提供:QUICK企業価値研究所)
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