QUICK企業価値研究所アナリスト 柊宏二(2022/10/26)
・3Qまでの業績は堅調。会社は通期計画を据え置く
22/11期3Q累計の連結営業利益は130億円。収益認識に関する会計基準の影響は軽微で、旧基準の前年同期との比較で2割強増加。自動車の生産調整の影響を受けたが、産業機械・市販、建設機械分野などの需要が堅調で、円安もあり主要製品の売上高が伸長。原材料価格高騰の影響があったが、円安や操業度改善、原材料価格上昇分の販売価格への転嫁の効果などが上回った。3Qの3カ月の連結業績もここ数年で最高水準と堅調。会社は期初計画(営業利益170億円)を変えていない。
・業績続伸見込む当研究所の予想は据え置く
企業価値研究所は会社計画比強めの22/11期予想(営業利益は前期比22%増の180億円)を据え置く。上期まで業績は弱めだったが、3Qに挽回が進んだとみている。好調な受注や円安も考慮した。当研究所の23/11期、24/11期の業績予想も据え置く。為替想定を円安に見直したが、需要の減速懸念等も考慮した。対前期比では業績続伸を予想。23/11期に最高益更新を見込む。自動車、航空機関連の需要回復、EV化・自動化投資拡大などを背景にロボット等主要製品の販売増加を予想。
・リスクファクター ~原材料価格上昇、中国経済等
・アナリストの投資判断 ~株価回復は遅れる可能性。増益期待は下支えに
現状の当研究所の22/11期予想PERは約8倍。同社の過去の平均水準や、現状の東証プライム市場の機械セクターの平均(約15倍)を大きく下回る。世界的な景気減速による需要減速への懸念が燻っており、インフレによる各種コスト高なども重荷となる見通しの中、当面株価の本格回復は遅れる可能性がある。ただ、円安による増益(23/11期の最高益更新)への期待は下支えになるとみており、当面の株価は底堅いとみる。
(提供:QUICK企業価値研究所)
本サイトに掲載の記事・レポートは、QUICK企業価値研究所が提供するアナリストレポートサービスの抜粋記事です。
レポートサービスは証券会社・金融機関様に対し個人投資家向け販売資料としてご提供させて頂いております。
サービスに関するご質問、資料のご請求等は以下フォームよりお問い合わせください。
※ 個人投資家の方は掲載記事(レポート)の詳細を「QUICKリサーチネット」からもご覧頂けます。
サービスの詳細・ご利用方法はこちらをご覧ください。
※ なお、本サイト掲載記事の内容に関する個別のご質問にはお答えできかねます。ご了承ください。