QUICK企業価値研究所アナリスト 小西慶祐(2022/08/01)
・当研究所は会社修正計画より強めの予想に引き上げ
23/3期通期の連結営業利益計画について会社側は、1Q決算発表時(7月27日)に、900億円→1100億円(前期比26%増)へ大幅に上方修正した。資材費・輸送費の更なる高騰を見込んだが、通期の為替レートの前提を122円→125円に変更、値上げ効果も織り込んだ。企業価値研究所も、もともと強めだった営業利益予想を、1020億円→1200億円(同37%増)と会社修正計画を上回る水準に再度増額。通期の為替レートの前提を1ドル=125円→133円(2Q以降は135円)と会社想定より円安水準に設定したほか、電動車を中心とした新型車の投入などを背景に、値上げが浸透していることを前向きに評価した。
・来期にも営業利益で過去最高更新を予想
続く24/3期以降も、為替の円安進行を踏まえ、従来予想を増額。従来想定より1年前倒しとなる24/3期にも営業利益で過去最高を更新する見通しとした。24/3期以降は、アセアンへの経営資源の集中が寄与するとの見方を継続。「トライトン」を手始めに、「エクスパンダー」などのフルモデルチェンジ、新型車の投入が予定されている。欧州では、ルノーからのOEM供給が始まり、北米でも半導体不足の解消などで底堅く推移するとみている。
・リスクファクター ~為替動向、原材料価格高騰など
・アナリストの投資判断 ~株価の緩やかな持ち直しを引き続き予想
直近の株価に基づく23/3期の当研究所予想PERは7倍。同社の過去60カ月の平均PER9倍との比較では、割安感がある。今後は、為替動向に注意を要するが、アセアンへの経営資源の集中による採算改善が見込めると想定、株価もそれを反映して緩やかに持ち直す展開を引き続き予想する。
(提供:QUICK企業価値研究所)
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