QUICK企業価値研究所アナリスト 柊宏二(2022/08/30)
・1Qは好発進。利益回復を見込む予想を据え置く
23/3期1Qの連結純利益は前年同期比24%増加し、会社通期目標7300億円に対し35%と好発進。企業価値研究所は23/3期連結純利益を7500億円と予想。1Qは相対的にみても順調な出足となり、外債損失等いくつかリスクはあるが、順調な本業収益や円安等を踏まえ会社目標比やや強めの回復を見込む利益予想を据え置く。
連結純利益で24/3期に7700億円、25/3期に8000億円を見込む予想も継続。景気減速懸念はあるが、円安効果等も勘案した。直近で参入を表明した米国デジタルリテールバンキング事業は、中長期的な収益成長に期待するが、25/3期までの業績影響はほぼないと想定。
・資本活用フェーズ継続。株主還元は高水準続く
同社は株主還元・成長投資を強化し得る資本活用フェーズに移行済み。CET1比率は会社の運営目標を上回っており、懸念の少ない水準にある。配当は累進的配当方針を採る。23/3期に会社は連続増配を計画。当研究所は当面増配基調を見込む。自己株取得はSMBC日興証券の相場操縦問題を踏まえ見送られているが、23/3期中の再開を予想。株主還元は高水準が続くとみる。
・リスクファクター ~外債損失、与信費用増加等
・アナリストの投資判断 ~堅調推移を予想。相対パフォーマンスは改善へ
現状の株価指標は同社の過去5年平均に対し、PBRは平均並みの水準で、PERにはやや割安感がある。外部環境は必ずしも良くないが、増益や株主還元強化の見通しを背景に当面の株価は堅調に推移すると予想。SMBC日興証券の相場操縦問題の影響(自己株取得の遅れ)もあり株価は相対的に出遅れているが、相対的に良好な決算や自己株取得の再開・拡大への期待から、相対パフォーマンスは今後改善に向かうと予想する。
(提供:QUICK企業価値研究所)
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