【NQNニューヨーク=横内理恵】6日午前の米株式市場で家庭雑貨販売のベッド・バス・アンド・ビヨンド(BBBY)の株価が大幅続落し、一時は前週末2日比で17.5%安の7.12ドルを付けた。グスタボ・アーナル最高財務責任者(CFO)が2日、マンハッタンの高層ビルから飛び降り自殺した。6月に業績悪化の責任を取って退任した最高経営責任者(CEO)の正式な後任も決まっておらず、経営再建への不透明感を嫌気した売りが強まった。
ベッド・バスは22年3~5月期まで5四半期連続で赤字を計上し、8月31日には店舗閉鎖や人員削減、エクイティ・ファイナンス(株式発行を伴う資金調達)を含む経営再建計画を発表したばかりだった。6月以降、CEOを含む多数の経営幹部が退任するなか、アーナル氏は数少ない残留組として業績立て直しに取り組んでいた。
株価は8月に入って乱高下していた。「ミーム株(はやりの株)」の代表銘柄として8月半ばにかけて個人投資家を中心に買いが盛り上がったが、大株主だった物言う投資家のライアン・コーエン氏率いる投資会社が保有株をすべて手放したことが明らかになると急落した。アーナル氏は株価高騰時に保有株を売却しており、人為的に株価をつり上げた疑いでコーエン氏とともに訴えられていた。