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久光製薬(4530) 上期は概ね想定通り(1Qは苦戦、2Qは回復)、通期予想据え置く

QUICK企業価値研究所アナリスト 真下弘司(2022/10/21)

・上期は概ね想定通り、予想据え置く
 企業価値研究所予想の23/2期の連結営業利益は126億円。上期の業績は概ね想定通り推移しており前回予想を据え置く。消炎鎮痛貼付剤「サロンパス」の回復や新製品の貢献等から実質増収・営業増益を予想。予想の前提として、インバウンド(訪日外国人)需要や米国「サロンパス」の本格的な回復、米国の注意欠如多動性障害(ADHD)治療薬「XELSTRYM」の貢献は24/2期以降を想定。続く24/2期と25/2期の連結営業利益予想も据え置く。24/2期が前期比13%増の142億円、25/2期は同6%増の150億円。新製品群の市場浸透や米国「サロンパス」の回復等を見込み増益を予想する。

・1Qは苦戦したが、2Qは回復
 23/2期上期の連結業績は4%増収、19%営業減益(収益認識基準を適用しない旧基準での比較、以下同じ)。国内は落ち込んだが、海外が伸長し増収。原価率の悪化や物流費の増加で営業減益。四半期別にみると1Qは2%減収、85%営業減益と苦戦したが、2Qは10%増収、20%営業増益と回復。

・リスクファクター ~医療制度改革と主力製品への依存度の高さ

・アナリストの投資判断 ~引き続き慎重な投資スタンスを推奨
 株価は22年10月12日に発表した上期決算を受けて翌10月13日に急騰。当研究所では23/2期通期の業績を実質増収・営業増益を見込んでいるが、インバウンド需要の消失や米国「サロンパス」の混乱継続、薬価改定等の影響もありコロナ禍前の水準には届かないと予想。研究開発パイプラインに課題を残すこともあり引き続き慎重な投資スタンスを推奨する。

 

(提供:QUICK企業価値研究所)
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著者名

真下 弘司

シニアアナリスト

医薬品セクター担当


【プロフィール】
00年から現職。医薬品・医薬品卸等を担当。レポート作成に際しては、会社側開示情報に基づく数値分析に、個別取材等の足で稼いだ情報を加えて、平易な文章で誰が読んでもわかるようにと心がけている。また業績のほか、ESG(環境・社会・企業統治)などの観点から企業を評価できないか模索中。


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