【NQNニューヨーク=戸部実華】27日の米株式市場で交流サイトのメタプラットフォームズ(META)の株価が暴落し、一時は前日比25%安の96.38ドルを付けた。終値は97.94ドルだった。26日夕に2022年7~9月期決算とあわせて発表した10~12月期の売上高見通しが市場予想を下回った。アナリストによる投資判断や目標株価の引き下げも相次ぎ、嫌気した売りが広がった。
7~9月期決算は2四半期連続の減収となり、10~12月期の売上高予想も300億~325億ドルと、レンジ中央値は市場予想(323億ドル)に届かない。世界的な景気減速で広告事業の業績懸念が強まった。注力している仮想空間「メタバース」開発などへの投資が膨らみ、来期(23年12月期通期)の総費用は960億~1010億ドルと今期予想から10%以上増える。
発表を受け、カウエンは投資判断を「買い」から「中立」に、目標株価を205ドルから135ドルに引き下げた。「メタバース開発などへの投資額が想定以上だった」という。中国の動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」に対抗して注力する短尺動画投稿「リール」も「成果が出るには数四半期かかるだろう」と分析した。キーバンク・キャピタル・マーケッツも想定を上回るコスト増を理由に投資判断を「買い」から「中立」に下方修正した。
JPモルガンは「長期的にメタバースなどへの投資を続ける見通しだが、その成果が得られる時期は読めない」と指摘。投資判断は「中立」で据え置き、目標株価は180ドルから115ドルに引き下げた。バンク・オブ・アメリカはマクロ経済環境の悪化を背景に「一段の広告収入の減速を見込む」といい、メタバース開発の投資増などを受けた収益圧迫に懸念を示した。投資判断は「中立」を維持し、目標株価は150ドルから136ドルに変更した。