QUICK企業価値研究所アナリスト 柊宏二(2022/11/04)
・上期は小幅営業増益。会社は通期計画を下方修正
23/3期上期の売上高は半期として過去最高となったが、営業利益は947億円と前年同期比小幅増にとどまった。中国の需要が減速する中、豊富な受注残もあり売上高は増加したが、部材価格や輸送費の高騰による費用増加が響いた。会社が1Q決算公表時に示した営業利益計画966億円も未達に終わった。会社は23/3期通期計画を下方修正(営業利益1984億円→1817億円:前期比1%減)。中国の需要減速を勘案した。
・中国の需要減速リスク織り込み当研究所予想を減額
企業価値研究所は23/3期業績予想を減額(営業利益2100億円→1900億円)。ロボットは堅調な推移が続くと予想し、円安も追い風とみるが、中国のFA等の需要の減速リスクを織り込んだ。ただ、会社修正計画は為替想定を含め保守的とみる。当研究所の24/3期、25/3期の業績予想も中国の需要減速リスク等を勘案し減額する。受注の回復は23年半ば以降を想定。24/3期業績はほぼ横ばい圏、25/3期に業績はやや上向くとみる。連結配当性向の基本方針は60%。23/3期は自己株取得も進める。高水準の株主還元を行っている点は評価したい。
・リスクファクター ~中国経済の減速、部材調達難等
・アナリストの投資判断 ~底堅いとみるが回復は遅れる可能性あり
株価は今年5月以降持ち直したが夏場以降再び軟調に。現状の当研究所の23/3期予想PERは約23倍。関連する機械や電気機器セクターの平均(約15倍)を上回るが、同社の過去の平均的な水準を下回る。同社としては割安感のある水準にあり、底堅い利益の見通しや高水準の株主還元への期待も背景に、当面の株価は底堅いとみる。ただ、中国を中心に需要の減速が意識される展開となる中、株価の回復は遅れる可能性があると考える。
(提供:QUICK企業価値研究所)
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