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東京瓦斯(9531) 今期は一転経常増益を見込む。5件の豪州LNG上流権益を売却へ

QUICK企業価値研究所アナリスト 佐久間聰(2022/11/16)

・当研究所今期経常予想は前回1260億円→1610億円
 企業価値研究所では、今23/3期通期の連結経常利益を前期比18%増の1610億円と前回予想(1260億円)から上方修正し前回の経常減益から一転、増益を見込む。「エネルギー・ソリューション事業」のセグメント利益(営業利益+持分法投資損益)は前回予想を下回るが、好調な「海外事業」が補う。円安による為替差益も経常利益を押し上げる見通し。なお、会社側は豪州プロジェクト保有会社5社の株式譲渡(予定日は来年3月)を発表したが、今回の予想にはこの株式売却益を織り込んでいない。

・24/3期経常利益は22%減、25/3期は4%増を予想
 当研究所では、24/3期の連結経常利益は前期比22%減の1250億円、25/3期は同4%増の1300億円を予想。前回予想(24/3期1320億円、25/3期1370億円)から下方修正する。豪州プロジェクト保有会社5社の株式譲渡の影響を織り込んでいない。原油価格の前提を引き下げたことに伴い、都市ガス・電力販売価格が前回の想定を下回るほか海外事業の売上高が前回予想を下回ることが主因。円安効果では補えない見通し。

・リスクファクター ~エネルギー需要、原油・為替など

・アナリストの投資判断 ~実績PBRに割安感があり、下値は限定的と予想
 直近の株価での今期予想PERおよび来期予想PERは過去10年間のレンジで割安感があるが、豪州権益売却の行方を見守る必要がある。一方、少なくとも実績PBRに割安感があり、下値は限定的と予想する。

 

(提供:QUICK企業価値研究所)
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著者名

佐久間 聰

シニアアナリスト

石油・鉱業および電力・ガスセクター担当


【プロフィール】
大学卒業後、証券会社に入社し、支店で営業職に従事。個人・法人顧客の開拓などに取り組む。その後、QBR(現QUICK企業価値研究所)調査部に転じてアナリスト職に就き、エネルギーセクターを中心に担当し、現在に至る。
営業職時代に個人投資家とプロである機関投資家との間に大きな情報格差があることを感じたことが原点。中立的な立場での企業分析を掲げているQBRに入社後は、冷静な視点を心がけ、過激な表現を用いないよう注意し、公正で偏りのない投資情報の作成に努めている。


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