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セブン銀行(8410) 米国事業の弱さに懸念も国内は人流回復等受け堅調。予想を継続

QUICK企業価値研究所アナリスト 柊宏二(2022/12/05)

・23/3期上期は増収減益だが会社計画に変更なし
 23/3期上期業績は前年同期比増収減益。コロナ禍からの人流や資金需要の回復に伴うセブン銀行のATM利用件数増加等を背景に増収となったが、利益は成長投資等の費用増加を主因に減少した。上期業績は会社計画比上振れたが、会社は23/3期計画(経常利益で前期比1%減の280億円)を変更していない。

・当研究所の業績予想も据え置く
 企業価値研究所は23/3期の連結経常利益を前期比1%増の285億円と予想。会社計画比若干強めの利益予想を据え置く。米国事業の弱さは懸念されるが、国内事業が人流回復等で想定より堅調なことを勘案した。
 当研究所の24/3期利益を横ばい、25/3期に回復を見込む予想も据え置く。減価償却費等の費用増が続くが、25/3期に新規事業の成長等で吸収可能になるとみる。
 財務健全性は引き続き高い。中計の株主還元方針の目線は配当性向40%以上だが、23/3期の会社配当計画(1株当たり年間11円)の配当性向は約66%。当面高水準の株主が続く見通しで、減配リスクは低いとみる。

・リスクファクター ~ATM利用減少、システム障害等

・アナリストの投資判断 ~国内ATM事業の回復期待等背景に底堅い推移を予想
 現状の株価指標は同社の過去5年平均を下回る。キャッシュレス化進展に伴うATM事業の成長期待の低下、今・来期と連結で増益を見込み難い点は、引き続き株価の重荷とみる。一方で、4%強と高い株式の配当利回りへの評価、親子上場解消のトレンドを背景とした親会社による完全子会社化・TOBへの思惑等は株価の下支えになるとみる。国内ATM事業の回復期待も背景に、当面の株価は底堅い推移を予想する。

 

(提供:QUICK企業価値研究所)
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著者名

柊 宏二

シニアアナリスト

金融(銀行)・機械セクター、投資戦略、マクロ経済担当

 

【プロフィール】

一橋大学経済学部卒業。三和銀行(現三菱UFJ銀行)に入社後、支店勤務を経て銀行系シンクタンクの三和総合研究所(現三菱UFJリサーチ&コンサルティング)に出向。マクロ経済調査などに従事する。銀行に復職し大企業審査、企業再生などの業務担当を経て、06年に当社入社。銀行を中心とした金融セクターの調査に加え、製造業(機械中心)の調査、投資戦略、マクロ経済調査、なども担当する。顧客向けセミナー・研修・勉強会講師の実績多数。

 

日本証券アナリスト協会検定会員

日本証券アナリスト協会ディスクロージャー研究会 銀行評価実施アナリスト


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