QUICK企業価値研究所アナリスト 柊宏二(2022/12/15)
・上期利益は高進捗に。当研究所の利益予想を増額
23/3期上期連結純利益は前年同期比15%増加し、会社の期初通期目標比72%の高進捗に。会社は通期連結純利益目標を400億円増の7700億円に上方修正。企業価値研究所も23/3期連結純利益予想を増額(7500億円→7800億円)。上期は相対的にみても順調な決算となり、外債損失やSMBC日興証券の収益悪化等のリスクはあるが、順調な本業収益や円安等を踏まえ予想を増額。会社修正目標を上回る利益を見込む。24/3期、25/3期の利益予想も円安効果等勘案し増額。連結業務純益の伸長を主因に利益水準が徐々に高まる展開を見込む。
・資本活用フェーズ継続。株主還元は高水準続く
同社は株主還元・成長投資を強化し得る資本活用フェーズに移行済み。CET1比率は直近も会社運営目標を上回り、懸念の少ない状況が続く。会社は今般23/3期の配当計画を増額。当研究所は当面増配基調を見込む。自己株取得はSMBC日興証券の相場操縦問題を受け見送られてきたが、今回取得枠の再設定と追加設定の形で2000億円の取得枠が設定され、ほぼ当研究所の予想通りの展開となった。株主還元は高水準が続く見通し。
・リスクファクター ~外債損失、与信費用増加等
・アナリストの投資判断 ~相対的に堅調な株価推移が続くと予想
株価は直近で約4年振りの高値圏に浮上し、相対パフォーマンスも良好。現状の当研究所の23/3期予想PERは約8倍、実績PBRは約0.5倍。同社の過去5年平均に対し、PBRは平均並みで、PERにはやや割安感がある。世界経済の減速懸念の浮上などで外部環境は良くないが、日銀の金融政策の修正への期待や、相対的に良好な決算、株主還元への期待等を背景に、当面の株価は相対的に堅調な推移が続くと予想する。
(提供:QUICK企業価値研究所)
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