【NQNニューヨーク=横内理恵、古江敦子、戸部実華】
■クアンタムスケープが続落 試作品の出荷開始を好感、一時15%高
20日の米株式市場で電気自動車向け電池のクアンタムスケープ(QS)が続落し、前日比1.4%安の5.77ドルで通常取引を終えた。20日に自動車メーカーへ多層電池のプロトタイプ(試作品)の出荷を開始したと発表した。製品化に向けて開発が進んでいるとの見方が広がり、一時は14.9%高となった。買い一巡後は売りに押された。
自動車メーカーは受け取ったプロトタイプ電池をそれぞれの工場で試験使用し、性能などをクアンタムスケープに報告する。クアンタムスケープはフィードバックを元に、電池の質や生産工程などの改善につなげる。年内の試作品の出荷開始を目指しており「この目標の達成は製品化に向けて重要な一歩を意味する」と説明した。
クアンタムスケープは主流のリチウムイオン電池よりも持続力があり、安全とされる全固体電池を開発している。数年後の製品化に向け、今後も段階的な試作品の生産や開発を進める。
■スティッチ・フィックスが大幅安、JPモルガンが投資判断「売り」に
20日の米株式市場でアパレルや雑貨販売のスティッチ・フィックス(SFIX)が大幅下落し、前日比9.1%安の2.80ドルで終えた。JPモルガンが投資判断を「中立」から「売り」に引き下げた。マクロ経済環境の変化や採算改善のための広告支出削減の影響で、2023年7月期通期の業績が下振れする可能性があるとの見方を示した。
経済環境の悪化がアパレル消費に一段の逆風となる可能性があるとみる。利用形態を柔軟にした新サービスを導入したが、新規顧客の獲得につながるかには懐疑的だという。売り上げを増やすためには広告支出を実績並みに戻す必要があり、24年7月期まで売上高と利用者数が再拡大しないリスクがあると指摘した。利用者数は足元、4四半期連続で縮小していた。
売り上げが回復しない限り、継続的な採算改善は難しく、黒字化も27年7月期までは見込めないという。
スティッチ・フィックスが6日に発表した22年8~10月期決算は売上高が前年同期比22%減、利用者数は11%減った。早期の黒字達成や成長再加速に向けてコスト削減やサービス拡充を進めていることを明らかにしていた。
■燃料電池のフューエルセルが17%安 赤字拡大、投資増も嫌気
20日の米株式市場で燃料電池メーカーのフューエルセル・エナジー(FCEL)が4日続落し、一時は前日比17.2%安の2.70ドルをつけた。朝方発表の2022年8~10月期決算で売上高が市場予想に届かず、最終赤字が拡大した。23年10月期通期の設備投資額が市場予想以上に増えるのも収益懸念を誘い、売りが加速した。
8~10月期の売上高は前年同期比2.8倍の3920万ドルとなった。韓国への燃料電池モジュール販売が寄与したが、QUICK・ファクトセットがまとめた市場予想(4580万ドル)を下回った。最終損益は4326万ドルの赤字と、赤字幅は前年同期の2498万ドルから拡大した。研究開発費などコスト増が響いた。1株損失は0.11ドルと市場予想(0.06ドル)より大きかった。
23年10月期の設備投資額は6000万~9000万ドルと計画し、前期(2110万ドル)から大幅に増やす。燃料電池の増産や新技術開発に向け製造や研究の設備を拡張する。計画の下限でも市場予想(4270万ドル)を上回る。
■ゼネラル・ミルズが5%安 値上げ奏功も、先行き不透明感意識
20日午前の米株式市場で食品のゼネラル・ミルズ(GIS)が反落し、一時は前日比5.4%安の82.44ドルを付けた。20日に発表した2022年9~11月期決算は市場予想を上回り、23年5月期通期の業績見通しも引き上げた。ただ、決算資料で消費の減速やインフレ、供給網混乱への懸念を指摘したことなどが先行き不透明感につながった。
決算資料では「通期の業績に大きく影響するのは消費者の経済状態とインフレ的なコスト環境、供給網混乱の頻度や厳しさだ」と指摘した。説明会では引き続き供給制約の問題が全面的には解消していないと明らかにした。
9~11月期の売上高は前年同期比4%増の52億2070万ドルと、QUICK・ファクトセットがまとめた市場予想(51億9000万ドル)を上回った。販売数量は減ったものの値上げが奏功し、主力の北米事業などが市場予想以上に増えた。純利益は1%増の6億590万ドル。販管費増が響いた。特別項目を除く1株利益は1.10ドルと市場予想(1.07ドル)を上回った。
23年5月期のM&A(合併・買収)などを除く売上高は前期比8~9%増を見込み、従来予想(6~7%増)を引き上げた。特別項目や為替要因を除く営業利益や1株利益の見通しも上方修正した。