【NQNニューヨーク=川上純平、横内理恵、川内資子】
■アップルが反発 需要底堅く株価に上昇余地との見方
21日の米株式市場でスマートフォンのアップル(AAPL)が6営業日ぶりに反発し、前日比2.4%高の135.45ドルで通常取引を終えた。シティグループが20日付のリポートで、アップル株に上昇余地があると指摘した。製品とサービスに対する底堅い需要が株価を押し上げるといい、好感した買いが入った。
担当アナリストはアップルの投資判断を「買い」、目標株価は175ドルとしている。インフレで消費者の購買意欲が減退していることからスマートフォンの売れ行きを巡る投資家心理は「非常に厳しい」としつつも、「iPhone(アイフォーン)」利用者の買い替えサイクルは「安定している」と指摘。今度も底堅い販売が見込めるとした。
アプリや音楽配信などサービス部門については、値上げが浸透し、収益を支えると予想した。また、経済成長が見込めるインドでのiPhoneの販売拡大も株価を押し上げる理由に挙げた。
■テスラが小幅安 採用凍結や人員削減の報道で一時2.5%高
21日の米株式市場で電気自動車(EV)のテスラ(TSLA)が小幅に4日続落し、前日比0.2%安の137.57ドルで終えた。テスラ車の需要鈍化懸念に加え、イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)のツイッター経営などを巡る根強い不透明感が引き続き重荷となっている。一方、この日は高く推移する場面が目立った。EV情報サイトのエレクトレックが21日、採用凍結に加え、2022年1~3月期に人員削減に踏み切る計画と報じたことなどから、一時は2.5%高となった。
人員削減の理由についてマスク氏は「経済環境を悪いと感じている」と説明しているという。人員削減の規模などは明らかになっていない。テスラは今年6月にも採用凍結と固定給を受け取っている従業員を削減する方針を示していたが、エレクトレックによると年後半には技術部門などで再び採用を再開していた。テキサスや独ベルリンの新工場では引き続き、新規採用が必要とみられている。
テスラ株は年初から20日までに6割下げていた。マスク氏が買収したツイッターの経営に注力していることで、テスラの運営がおろそかになったり、テスラ車のブランド価値が下がったりすることが懸念されていた。ツイッターについては後任が決まり次第、経営トップから退くとみられるが、時期などは明らかになっていない。中国での需要減退観測も重なって、アナリストによる投資判断や目標株価の引き下げも相次いでいる。
■カーニバルが続伸 1株損失が予想ほど悪化せず
21日の米株式市場でクルーズ船のカーニバル(CCL)が続伸し、一時は前日比8.5%高の8.79ドルを付けた。同日朝に発表した2022年9~11月期決算は1株損益が赤字だったものの、赤字幅は市場予想ほど悪化しなかった。株価は12月に入り軟調に推移していたことから見直し買いが入った。
売上高は前年同期比3倍の38億3900万ドルだった。昨年の新型コロナウイルス禍から客足が回復し、大幅な増収となった。ただ、QUICK・ファクトセットが集計した市場予想(39億1000万ドル)ほどは伸びなかった。燃料費などがかさみ特別項目を除く1株損益は0.85ドルの赤字となったが、市場予想(0.88ドルの赤字)に比べ損失が小さく、採算悪化への警戒感が和らいだ。
同時に、22年12月~23年2月期の調整後のEBITDA(利払い・税引き・償却前利益)は2億5000万~3億5000万ドルになるとの見通しを示した。インフレによるコスト増が重荷となり、上限でも市場予想(4億1510万ドル)に届かない。業績の先行き不安は払拭されず、株価は買い一巡後に伸び悩んでいる。
■ナイキが15%高 決算受け目標株価引き上げ相次ぐ
21日の米株式市場でスポーツ用品のナイキ(NKE)が大幅に続伸し、一時は前日比15.5%高の119.18ドルを付けた。20日夕発表の2022年9~11月期決算が市場予想を上回った。販売の堅調さが評価されたほか、積み上がった在庫整理が進むとの期待が強まった。21日はアナリストによる目標株価の引き上げも相次ぎ、買いが膨らんだ。
9~11月期の売上高は前年同期比17%増の133億1500万ドルとQUICK・ファクトセットがまとめた市場予想(125億8000万ドル)以上に増えた。主力の北米が30%増と好調だった。1株利益は0.85ドルと市場予想(0.64ドル)を上回った。在庫は43%増と6~8月期(44%増)から伸び悩み、決算説明会で経営幹部は「在庫のピークは越えた」と述べた。23年5月期通期の為替変動を除いた増収率見通しは引き上げた。
UBSは決算を「ナイキはブランドの強さと戦略、執行能力を持ち、景気後退下を同業他社よりうまく乗り切れることを裏付けた」と評価した。「投資家が思うより1株利益の拡大余地は大きい」とし、23年の「トップ銘柄」とした。目標株価は141ドルから146ドルに上げた。
ゴールドマン・サックスは目標株価を120ドルから133ドルに引き上げた。「北米を中心に予想以上となった売上高に加え、想定を上回る売上高総利益率、販管費の抑制など幅広い分野で底堅さを示した」と指摘した。RBCキャピタル・マーケッツは決算は「根底にある勢いの強さを示した」とし、目標株価を120ドルから127ドルに上げた。