【NQNニューヨーク=川内資子、三輪恭久】
■マイクロンが8%高、中国勢との競争激化の懸念後退で
4日の米株式市場で半導体メモリーのマイクロン・テクノロジー(MU)が大幅に続伸し、一時は前日比8.2%高の54.52ドルを付けた。「中国政府は米国に対抗するための半導体産業への巨額投資を休止しつつある」とブルームバーグ通信が13日夜に報じた。競争激化による採算悪化への懸念が後退し、買いが膨らんだ。大和キャピタル・マーケッツが4日に前日終値より29%高い水準で目標株価を据え置いたことも、買い直しを誘ったとの指摘があった。
報道によると、中国政府は米政府による制裁を招くなどコストが高い割に効果の薄い半導体への補助金支出からの撤退を検討している。新型コロナウイルスの拡大による経済下押しや財政圧迫が背景にある。中国は米国に対する経済的・軍事的な競争力を高めるうえで半導体を重要産業に位置付けており、方針が見直されれば大きな政策転換となる可能性がある。
これとは別に、大和キャピタル・マーケッツは目標株価を維持するとともに「買い」の投資判断を据え置いた。年前半は在庫の積み上がりによる半導体価格の下落が続くが「年後半は新製品の発売や中国の経済活動の正常化などを追い風に需要が回復する」と予想した。
■マイクロソフト6%安、「クラウドと業務ソフトにリスク」とUBS
4日の米株式市場でソフトウエアのマイクロソフト(MSFT)が3日続落し、一時は前日比5.7%安の226.00ドルを付けた。UBSが3日付で投資判断を「買い」から「中立」に、目標株価を300ドルから250ドルに引き下げ、売りが膨らんでいる。UBSは経済の減速などを背景に、クラウド事業や企業向け業務ソフトの成長が鈍化すると分析。投資尺度の面からも割安感がないとの見方を示した。
UBSの担当アナリストは、成長エンジンだったクラウド基盤の「アジュール」について「急成長にブレーキがかかり、2023年6月期~24年6月期には投資家の想定より悪化する可能性がある」と指摘。経済の減速というよりは市場の成熟化に伴う減速を見込む。業務ソフト「オフィス365」も企業の人員削減の影響を受けやすいことから、24年6月期の売上高成長の見通しを引き下げた。
■セールスフォース5%高、リストラ策を好感
4日の米株式市場で顧客情報管理(CRM)のセールスフォース株が4日続伸し、一時は前日比5.2%高の141.85ドルを付けた。4日朝に人員削減を含むリストラ策を発表した。景気減速で業績の伸び悩みが想定されるなか、採算悪化の懸念がやや薄れ買いが優勢となった。
米証券取引委員会(SEC)への届け出によると、営業費用の削減に向け、10%の人員削減のほか、不動産売却、オフィススペースの縮小を実施する。2022年11月~23年1月期を中心に合計14億~21億ドルのリストラ費用を計上する。
マーク・ベニオフ最高経営責任者(CEO)は公開した従業員向け書簡で「環境の厳しさは続き、顧客は購入判断により慎重になっている」と説明した。新型コロナウイルス禍で売上高の伸びが加速した場面で人を雇い過ぎ、景気減速局面での問題につながったと指摘、「責任は私にある」と述べた。
コロナ禍で在宅勤務が普及した恩恵を受け、セールスフォースの業績は大きく拡大した。従業員数は20年1月期末時点の4万9000人から22年1月期末には7万3000人と5割近く増えていた。