【NQNニューヨーク=戸部実華】4日の米株市場で値動きが目立った銘柄は以下の通り。△は上昇、▲は下落。
◎電気自動車のテスラ(TSLA) △5.1%
前日は市場予想を下回る2022年10~12月期の販売台数が売り材料となり、12%安となった反動から買いが入った。キャシー・ウッド氏が率いる米投資会社アーク・インベストメント・マネジメントが3日に株式を買い増したとの報道も追随買いを誘った。
◎中国ネット通販のアリババ集団(BABA) △13.0%
傘下の金融会社、アント・グループから分離した消費者金融事業の増資計画を巡り、中国当局が105億元の調達を承認したとブルームバーグ通信が報じた。当局のハイテク企業への締め付けが和らぐとの観測から、ネット通販の京東集団(JDドットコム、@JD/U)などにも買いが波及し、中国株の米預託証券(ADR)が軒並み大幅高となった。
◎クルーズ船のカーニバル(CCL) △9.7%
4月1日からサービスに対するチップやWi―Fi使用料を引き上げると伝わった。同業他社も値上げに動いているといい、需要回復や採算性の向上への期待を誘った。同業のロイヤル・カリビアン・グループ(@RCL/U)やノルウェージャン・クルーズライン・ホールディングス(@NCLH/U)も買われた。
◎顧客情報管理のセールスフォース(CRM) △3.6%
4日にリストラ策を発表し、採算悪化の懸念がやや薄れた。営業費用の削減に向け、10%の人員削減のほか、不動産売却、オフィススペースの縮小を実施する。マーク・ベニオフ最高経営責任者(CEO)は新型コロナウイルス禍で業績が急拡大した場面で人を雇い過ぎ、景気減速局面での問題につながったと説明した。
◎機械のハネウェル・インターナショナル(HON) ▲2.0%
UBSが4日付で投資判断を「買い」から「売り」に2段階引き下げた。目標株価は220ドルから193ドルに下方修正した。3日終値を10%下回る。22年の株価は同業他社をアウトパフォームしてきたが、受注の鈍化を見込む23年は「高いバリュエーション(投資尺度)を正当化するのは難しくなる」と指摘した。
◎ソフトウエアのマイクロソフト(MSFT) ▲4.4%
UBSが3日付で投資判断を「買い」から「中立」に、目標株価を300ドルから250ドルに引き下げた。景気減速などを背景に、成長エンジンだったクラウド基盤「アジュール」の伸びが減速し「投資家の想定より悪化する可能性がある」と指摘。企業向け業務ソフトも企業の人員削減の影響を受けやすいとみる。