【NQNニューヨーク 川上純平、川内資子】
■クラウドストライクが9%安 「今年の事業環境より厳しく」の声
5日の米株式市場でサイバーセキュリティーのクラウドストライク・ホールディングスが反落し、前日比9.1%安の94.89ドルで通常取引を終えた。ジェフリーズが5日、投資判断を「買い」から「中立」に、目標株価を175ドルから120ドルに引き下げた。2023年の事業環境はより厳しくなると分析し、嫌気した売りが広がった。
担当アナリストは、米景気の減速を背景に企業がIT(情報技術)投資を絞るなか、クラウドストライクが23年にシェアを拡大するのは「徐々に難しくなる」との見方を示した。事業環境の悪化を踏まえると「足元のバリュエーションは適正」といい、株価の上昇余地が乏しくなっていると指摘した。
■ウエスタンデジタルが6%高 キオクシアと統合協議と伝わる
(米東部時間11時21分)5日の米株式市場で半導体メモリーのウエスタンデジタルが続伸し、一時は前日比6.1%高の35.06ドルを付けた。日本の同業キオクシアホールディングスと統合に向けた協議を再開したと米ブルームバーグ通信が4日に報じた。統合により競争力が向上すると期待した買いが入った。
両社の統合交渉は過去にも報じられてきたが、協議は停滞していた。報道によれば、話し合いは半導体需要の落ち込みに対する危機感を背景に2022年の終わりごろに再開したようだ。協議は初期段階で、合意に達しない可能性もあるという。
ウェドブッシュ証券のアナリストは5日付のリポートで「規制上の問題など統合に向けたハードルは高いが、成功すれば両社にとっても業界全体にとっても良い結果になる」との見解を示した。
■ウォルグリーンズが7%安 通期見通しの据え置きを嫌気
(米東部時間11時15分)5日の米株式市場でドラッグストアのウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンスが反落し、一時は前日比7.4%安の34.72ドルを付けた。5日発表の2022年9~11月期決算は市場予想を上回ったが、成長部門とする医療サービス事業の売上高が市場予想ほど伸びなかった。全体の23年8月期通期の利益見通しも据え置き、失望売りが出た。
9~11月期の売上高は333億8200万ドルと前年同期比で2%減ったものの、市場予想(329億ドル)は上回った。新型コロナウイルスのワクチン接種回数が減り、主力の小売り向け薬局部門が3%減となった。医療サービス部門は事業買収などで9億8900万ドルと19倍に急拡大したが、市場予想(11億7000万ドル)に届かなかった。
最終損益は37億2100万ドルの赤字(前年同期は35億8000万ドルの黒字)。医療用麻薬「オピオイド」に関連した複数の州などとの訴訟の和解費用を65億ドル計上したのが響いた。特別項目を除く1株損益は1.16ドルの黒字と市場予想(1.14ドル)を上回った。23年8月期の特別項目を除く1株利益見通しを据え置いた。主力部門の底堅さは続くが、コロナ関連の減速が重荷となる。