【NQNニューヨーク=三輪恭久、戸部実華】
■コインベースが大幅高、2割の人員削減を公表
10日の米株式市場で暗号資産(仮想通貨)交換業者のコインベース・グローバル(COIN)が大幅に続伸し、一時、前日比10.8%高の42.40ドルを付けた。10日付で米証券取引委員会(SEC)に提出した資料で、全従業員の2割に相当する950人の削減を含むコスト圧縮計画を明らかにした。収益の改善につながると期待した買いが優勢となった。
2023年4~6月期までに人員削減を完了させる。退職金や手当などを含め、1億4900万~1億6300万ドルの構造改革費用を見込んでいる。米金融引き締めなどをきっかけに仮想通貨相場が水準を切り下げた22年春ごろから収益環境が悪化。足元では同業のFTXトレーディングの経営破綻で一段と市場が冷え込んだ。
10日のSECへの提出資料では、コインベースは22年12月期通期の調整後EBITDA(利払い前・税引き前・償却前損益)は5億ドルの赤字という従来予想の範囲にとどまるとの見方を示した。QUICK・ファクトセットがまとめた市場予想(4億2450万ドルの赤字)より悪化する可能性がある。
■診療所運営のオーク・ストリートが急騰 CVSによる買収報道で
10日の米株式市場で診療所運営のオーク・ストリート・ヘルス(OSH)が大幅に続伸し、一時は前日比32.7%高の29.96ドルを付けた。ドラッグストアチェーンのCVSヘルスがオーク・ストリートの買収を検討していると米ブルームバーグ通信が9日夕に報じ、好感した買いが集まっている。
報道によると、CVSは負債を含め100億ドル以上での買収を検討している。オーク・ストリートの前日の時価総額(55億ドル程度)を大きく上回る。SVB証券は10日付のリポートで、報道されている買収額では1株当たりの価値が40ドル以上になるとの試算を示した。CVSヘルスはこれまでも診療所への参入に関心を示しており、買収や提携を検討してきた。
■遺伝子解析機器のイルミナが大幅安 市場予想下回る見通し受け
10日の米株式市場で遺伝子解析機器のイルミナ(ILMN)が3営業日ぶりに反落し、一時は前日比12.2%安の182.00ドルを付けた。9日夕に発表した2023年12月期通期の業績見通しが市場予想を下回った。マクロ経済が悪化するなか、業績下振れへの懸念が広がった。
JPモルガン主催のヘルスケア業界の会合で明らかにした。通期の増収率は前期比7~10%を見込む。中央値はQUICK・ファクトセットがまとめた市場予想(9.7%)に届かない。特別項目を除く1株利益見通しは1.25~1.50ドルと、市場予想(2.67ドル)を大幅に下回る。需要は堅調との見方を示しつつも「マクロ経済環境や中国の情勢、インフレなどを引き続き注視する」という。
発表を受け、JPモルガンは「マクロ環境の逆風に対する慎重な見方が予想を大幅に下回る見通しにつながった」と指摘した。投資判断は「中立」を維持。カナコード・ジェニュイティは見通しは「いくつかの疑問を投げかける内容だった」と表現したが、投資判断は「買い」で据え置いた。