【NQNニューヨーク=戸部実華、横内理恵】
■AMDが一時9%高、半導体市況の改善期待で
23日の米株式市場で半導体のアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)が大幅続伸し、一時は前週末比8.7%高の76.14ドルを付けた。バークレイズが23日付リポートで投資判断を「中立」から「買い」に、目標株価を70ドルから85ドルに引き上げた。2024年にかけて半導体市況の改善が見込めるといい、一段の市場シェア拡大を期待した買いが入った。
担当アナリストは「AMDは24年にかけて(データセンターの)サーバー向けでリーダー格としての立場を維持する」と分析。交流サイトのメタプラットフォームズが23年後半にデータセンターの設備投資を再加速するのも追い風になるとみる。AMDの競合相手、インテルと比べ製品の性能で勝り、一段とシェアを伸ばす可能性があると指摘した。人工知能(AI)向けでも市場シェア拡大が見込めるという。
同アナリストは半導体業界全般に対して「データセンター、パソコン、ハンドセット向けの半導体を手掛ける企業の(業績見通しに)ポジティブだ」という。パソコン向けは23年1~3月期中に底を打った後は回復に向かうと予想する。
同業クアルコム(QCOM)の投資判断も「中立」から「買い」に、目標株価は120ドルから150ドルに上方修正した。23年後半には中国の経済正常化を追い風にハンドセット(スマートフォン)向けの需要回復を見込む。自動車向けや、あらゆるモノがネットにつながる「IoT」向けでも成長機会があるという。人工知能(AI)向けの成長力を評価し、画像処理半導体のエヌビディア(NVDA)は投資判断を「買い」を維持、目標株価は170ドルから250ドルに引き上げた。
■家具通販のウェイフェア27%高、リストラ計画好感した買い
23日午前の米株式市場で家具ネット通販のウェイフェア(W)が急騰し、一時は前週末比26.9%高の59.39ドルを付けた。23日にJPモルガンが投資判断を「売り」から「買い」に2段階引き上げ、好感した買いが集まった。20日に会社がコスト削減計画の進展や足元の事業環境の改善を明らかにしたのを受け、業績の上振れを予想した。バリュエーション面でも割安感があるとみる。目標株価は35ドルから63ドルに引き上げた。
JPモルガンは新型コロナウイルス禍での一時的な業績急拡大とその反動による落ち込みが一巡し、長期的に家具販売のデジタル化進展の恩恵を受けると予想した。供給問題の緩和でシェア拡大の余地があるとの見方も示した。株価は20日に20%上昇したが、23年12月期予想ベースで企業価値(EV)が予想売上高の何倍かを示す「EV/売上高倍率」は0.7倍と、コロナ禍前(1.5倍)に比べて割安感があるという。
ウェイフェアは20日、22年8月から着手しているコスト見直し策で全従業員の10%を削減する方針を明らかにした。年間14億ドルのコスト削減を見込む。併せて、昨年12月にかけて受注状況やシェアの改善が続いているとも説明した。「23年の早い段階で、特別項目を除くEBITDA(利払い前・税引き前・償却前利益)の黒字化を達成する」との見通しを示した。
■ウエスタンデジタルが8%高 キオクシアとの合併協議進展と伝わる
23日の米株式市場で半導体メモリーのウエスタンデジタル(WDC)が5日続伸し、一時は前週末比7.7%高の41.43ドルを付けた。日本の同業キオクシアホールディングスとの合併について「協議が進展している」と米ブルームバーグ通信が20日夜に伝えた。合併による競争力の強化を期待した買いが広がった。
ウエスタンデジタルはフラッシュメモリー事業をスピンオフ(分離)してキオクシアと合併する考え。ウエスタンデジタルの経営陣が統合後の会社を運営する見通しだ。最終的に日米で二重上場を検討しているという。今後数カ月以内の発表を目指しているが、最終決定はしておらず変更する可能性がある。
両社の合併協議は停滞していたが、2022年の終わりごろに再開したと1月4日に伝わっていた。