【NQNニューヨーク=松本清一郎】26日の米株市場で値動きが目立った銘柄は以下の通り。△は上昇、▲は下落。
◎自動運転用技術のモービルアイ・グローバル(MBLY) △5.9%
26日に発表した2022年10~12月期決算で売上高が前年同期比59%増、最終損益が3000万ドルの黒字に転換した(前年同期は5300万ドルの赤字)。ともに市場予想を上回った。同時に発表した23年12月期通期予想の売上高も市場予想を小幅に上回った。同社の自動運転関連の半導体やソフトウエアの出荷が加速しており、成長期待の買いが入った。
◎ハードディスクドライブ(HDD)のシーゲイト・テクノロジー(STX) △10.9%
前日夕に発表した22年10~12月期決算で売上高、1株利益とも市場予想を上回った。パソコン向けの需要低迷に代わってクラウド関連の成長が収益を押し上げた。パソコン市場の急激な縮小が業績の逆風になるとみられていただけに見直し買いが入った。決算を受けて多数のアナリストが一斉に目標株価を引き上げた。
◎石油のシェブロン(CVX) △4.9%
前日夕に750億ドル(9兆7500億円)の自社株買い計画を発表した。4月開始で、終了時期は決めていない。19年1月に始め、今年3月末で終了する現行の自社株買い計画(250億ドル)の3倍の規模。四半期配当も6.3%増やす。
◎カジノのラスベガス・サンズ(LVS) △6.1%
前日夕に発表した22年10~12月期決算で売上高が前年同期比11%増えた。継続事業の最終損益は2億6900万ドルの赤字だったが、赤字幅は前年同期から15%縮小した。中国のゼロコロナ政策の解除に伴い、1~3月期はシンガポールとマカオの拠点の収益回復が続いていると明らかにし、マカオの長期的な成長性を強調した。決算を受け、アナリストの目標株価引き上げが相次いだ。
◎電気自動車のテスラ(TSLA) △11.0%
前日夕に発表した22年10~12月期決算は売上高が市場予想に届かなかったが、決算説明会でイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が値下げ効果で「1月の受注は過去最高ペースで、現時点では注文が生産のほぼ2倍となっている」と述べた。
◎IT(情報技術)のIBM(IBM) ▲4.5%
前日夕に発表した22年10~12月期決算で売上高、1株利益とも市場予想を小幅に上回った。ただ、株価は昨年10月以降、市場平均を大幅に上回って上昇していたため、材料出尽くしの売りが出たようだ。23年12月期通期の増収率見通しも市場予想を上回ったが、フリーキャシュフロー見通しが市場予想に届かず、嫌気されたとの見方もあった。
◎家庭用品・雑貨小売りのベッド・バス・アンド・ビヨンド(BBBY) ▲22.2%
26日午後に米証券取引委員会(SEC)に財務諸表などをファイリングし、注記で「デフォルト条項に抵触した」と明らかにした。「当社には与信枠を返済するための十分な資金がなく、米破産法に基づく債務の再編などあらゆる選択肢を検討する」とも記載した。経営破綻が近いとみた売りが殺到した。
◎パワー半導体のウルフスピード(WOLF) ▲5.9%
前日夕に発表した22年10~12月期決算で売上高、1株損益とも市場予想を下回った。1~3月期の売上高、1株損益も市場予想以上に悪化する見込み。「5G」関連の部品需要が弱まっている上、ウエハーの供給難などで米国の電子部品工場の増産が計画通り進まないリスクがあると明らかにした。