【NQNニューヨーク=横内理恵、川内資子、三輪恭久】
■テスラが8日続伸 販売加速期待で1月安値の2倍超に上昇
9日の米株式市場で電気自動車(EV)のテスラ(TSLA)が8日続伸し、一時は前日比6.3%高の214.00ドルを付けた。終値は3.0%高の207.32ドル。値下げ効果などで販売が加速しており、好感した買いが続いた。ただ、株価は1月6日に付けた直近安値(101.81ドル)の2倍を超え、アナリストの目標株価の平均も上回った。短期的な過熱感から上昇一服を見込む声も出ている。
米国や中国での値下げによる需要の高まりに加え、米財務省がEVの税控除の対象とする車両価格の上限を引き上げたことも販売の追い風になるとみられている。販売好調を受け、米国で2月に入り一部製品を値上げしたのも収益期待につながっている。
ただ、過熱感も意識され始めた。株価はファクトセットが集計するアナリスト(46社)の目標株価の平均(193.77ドル)を上回る。ここ1週間の個人投資家による米株への資金流入のうち「約3分の1がテスラ株に向かった」(バンダ・リサーチ)とも伝わっており、株高の持続性に懐疑的な見方も出ている。
■ディズニーが続伸 テーマパーク回復、コスト削減も好感
9日の米株式市場で映画・娯楽のウォルト・ディズニー(DIS)が3日続伸し、一時は前日比5.7%高の118.18ドルを付けた。8日夕に発表した2022年10~12月期決算で、売上高と1株利益が市場予想を上回った。同時に7000人の人員削減などのコスト削減に加え、23年9月期通期の復配方針も示し、買いが優勢となっている。
10~12月期の売上高は前年同期比8%増の235億1200万ドルと、QUICK・ファクトセットがまとめた市場予想(234億4000万ドル)を上回った。経済活動の再開に伴い、国内テーマパークの入園者数の回復や物販の増加が寄与した。特別項目を除く1株利益は0.99ドルと市場予想の0.78ドルを超えた。
同社は事業部門を3つに再編するほか、7000人の人員削減を含む55億ドルのコスト削減案を公表した。モルガン・スタンレーはテーマパークの収益回復が続くことなどもふまえ「調整後の1株利益が25年9月期まで年率20%の成長を続けるという当社の予想の確度が高まった」と指摘。投資判断を「買い」、目標株価を115ドルで据え置いた。エバコアISIはコスト削減の効果を織り込み、目標株価を115ドルから130ドルに引き上げた。
ただ、ディズニー株は買い一巡後に伸び悩む場面がある。アクティビスト(物言う株主)のトライアン・ファンド・マネジメントのネルソン・ペルツ氏が「委任状争奪戦は終わった」と語ったと米CNBCが9日報じた。ペルツ氏はボブ・アイガー氏の最高経営責任者(CEO)復帰に反対し、自身の取締役就任などを求めていた。
■カジノのMGMとウィンが急伸、ラスベガス事業が収益押し上げ
9日午前の米株式市場でカジノ株が急伸し、MGMリゾーツ・インターナショナル(MGM)が一時、前日比10%高の45.64ドル、ウィン・リゾーツ(WYNN)は7.9%高の111.77ドルを付けた。ともに8日夕発表の2022年10~12月期決算で売上高などが市場予想を上回った。経済再開で米ラスベガスの事業が好調だった。アナリストの目標株価引き上げも買いを誘った。
10~12月期の売上高はMGMが前年同期比18%増の35億9221万ドル、ウィンが5%減の10億493万ドル。市場予想はMGMが33億5000万ドル、ウィンが9億5500万ドルだった。MGMの純利益は2.2倍の2億8400万ドル、ウィンの最終損益は3241万ドルの黒字と前年同期の1億7719万ドルの赤字から黒字に転じた。
決算を受け、アナリストの目標株価引き上げも相次いだ。MGMはJMP証券が56ドルから60ドルに、トゥルイスト証券が50ドルから54ドルに上方修正した。年明けからマカオ事業が力強く回復しており、一段の収益押し上げが期待できるという。バークレイズはウィンの目標株価を97ドルから115ドルに引き上げた。ラスベガス事業の予想以上の強さを評価した。