【NQNニューヨーク=川内資子】13日の米株式市場で値動きが目立った銘柄は以下の通り。△は上昇、▲は下落。
◎コンテンツ配信ネットワーク(CDN)のファストリー(FSLY/U) △27.7%
バンク・オブ・アメリカが13日、投資判断を「売り」から「買い」に2段階引き上げた。目標株価は前週末終値より6割強高い16ドルに上げた。「目先の業績は振れが大きいが、事業基盤は強固で中期的には新たな経営体制で飛躍する」と分析。新経営陣が製品群や価格などを見直すことで、2024年までに増収や利益率上昇が加速すると予想した。
◎イスラエルの業務管理ソフト企業マンデードットコム(MNDY) △10.9%
13日発表の22年10~12月期決算で売上高は市場予想以上に増え、特別項目を除く1株損益は市場予想に反して黒字となった。新規顧客が増えたほか、高い顧客維持率を保った。23年1~3月期と23年12月期通期の売上高見通しは市場予想を上回った。
◎遺伝子解析機器のイルミナ(ILMN) △9.8%
前週発表の22年10~12月期決算で1株利益が市場予想を下回り、足元で株価が大きく下げた反動で値ごろ感からの買いが入った。ゴールドマン・サックスが前週末、「最も大きなアルファ(超過収益)を生み出す銘柄」のひとつに挙げたのも買いを誘ったようだ。
◎衣料のラルフローレン(RL) △4.0%
バンク・オブ・アメリカが13日、投資判断を「中立」から「買い」に、目標株価を130ドルから145ドルに引き上げた。アナリストは「世界の多様化を背景に力強い売上高の傾向が続く」と予想した。マクロ環境が不安定な中でもコスト管理のうまさから25年3月期通期の売上高営業利益率の目標達成はできるとの見方を示した。
◎ソフトウエアのマイクロソフト(MSFT) △3.1%
先週、同社の出資先が開発したチャットボット「Chat(チャット)GPT」を検索エンジン「ビング」に搭載したと発表。検索エンジンのグーグルを脅かすとの期待から買いが続いた。13日はモルガン・スタンレーが投資判断の「買い」を再強調したのも買いを誘った。人工知能(AI)に加え、主力のクラウド事業の収益拡大を指摘した。
◎交流サイトのメタプラットフォームズ(META) △3.0%
英フィナンシャル・タイムズ(FT)が11日、「新たな人員削減策を準備している」と報じた。昨年11月の13%の人員削減に続くリストラによるコスト削減への期待が強まった。景気減速や競争激化で主力のネット広告事業の環境が悪化しているのに対応するとみられる。
◎金融機関向け決済技術提供のフィデリティ・ナショナル・インフォメーション・サービシズ(FIS) ▲12.5%
13日に22年10~12月期決算と同時に発表した23年1~3月期と23年12月期通期の業績見通しが市場予想を下回った。企業向け決済処理サービス事業「ワールドペイ」のスピンオフ(事業の分離・独立)も発表し、これに関連し計上する多額の評価損が響く。