【NQNニューヨーク=戸部実華、三輪恭久、横内理恵】
■エヌビディア6%高、AI普及でGPUの大幅な販売増を期待
14日の米株式市場で画像処理半導体(GPU)のエヌビディア(NVDA)が続伸し、一時は前日比5.5%高の229.93ドルを付けた。バンク・オブ・アメリカが13日付で目標株価を215ドルから255ドルに引き上げ、好感した買いが入った。人工知能(AI)技術の活用が広がり、AIに使われるエヌビディア製GPUの販売の大幅な伸びが見込めるという。
担当アナリストは「(文章や画像などを作り出す)生成AI技術の競争でエヌビディアは比類なくリードする立場にある」と評価した。生成AIの競争は初期段階で、27年までのエヌビディアの売上高と1株利益の年間平均成長率はそれぞれ25%、34%になると予想。AIの普及で、従来のCPU(中央演算処理装置)から、高速計算に対応するGPUへの移行は「構造的な変化だ」と指摘した。投資判断は「買い」で据え置いた。
株価は前日までに年初来で49%上昇した。22日に予定する決算発表で慎重な2~4月期見通しを示せば「短期的には売りが出やすくなる」とも指摘した。だが、3月に開く技術カンファレンスへの期待が高まり「下げは短命になる」との予想を示した。
生成AI技術を巡っては、ソフトウエアのマイクロソフトが出資先企業が開発したチャットボット「Chat(チャット)GPT」を検索エンジン「ビング」に搭載したと前週に発表。検索サイトのアルファベットも傘下のグーグルがチャットボット「Bard(バード)」の説明会を開くなど、市場の関心が高まっている。
■テスラが反発、米国で再び値上げ ソロス氏の株買い増しも好感
14日の米株式市場で電気自動車(EV)のテスラ(TSLA)が3営業日ぶりに反発し、一時は前日比5.1%高の204.50ドルを付けた。14日に米国内で多目的スポーツ車(SUV)を値上げした。1月以降に販売が回復するなか、収益拡大に貢献するとの見方から買いが入っている。
ロイター通信によると、SUV「モデルY」で高性能のパフォーマンス型を1000ドル上げ5万8990ドルとした。一方、小型セダン「モデル3」の最安車種を500ドル安い4万2990ドルに引き下げた。1月に米国など主要市場で幅広い車種の値下げをした後に販売が回復し、テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は1月下旬の決算発表時、受注台数が生産能力の2倍に達していると明らかにしていた。モデルYの別の車種もすでに値上げをしている。
13日の取引終了後には、著名投資家のジョージ・ソロス氏率いるファンドがテスラ株を買い増していたことが判明した。米証券取引委員会(SEC)に提出した資料によると、2022年12月末時点の保有株数は13万2046株と、9月末に比べ47%増やした。さらにコールオプション(買う権利)も新たに取得した。14日はソロス氏に追随する買いも入っているようだ。
■グローバルファウンドリーズが10%高、産業向けなど好調
14日午前の米株式市場で半導体受託製造のグローバルファウンドリーズ(GFS)が大幅上昇し、一時は前日比9.6%高の72.50ドルを付けた。14日朝に発表した2022年10~12月期決算が市場予想を上回り、好感した買いが入った。産業向けが業績をけん引した。23年1~3月期の業績見通しも市場予想以上だった。
10~12月期の売上高は前年同期比14%増の21億100万ドルと、QUICK・ファクトセットがまとめた市場予想(20億7000万ドル)を上回った。主力の携帯端末向けは7%減ったが、産業向けが64%増と好調だった。通信とデータセンター向け、自動車向けも伸びた。売上高総利益率は29.6%と前年同期(20.8%)から大幅に改善した。
純利益は16倍の6億6800万ドル。製造拠点の売却益を計上した。特別項目を除く1株利益は1.44ドルと市場予想(1.33ドル)を上回った。
1~3月期の売上高は18億1000万~18億5000万ドルを見込み、中心値が市場予想(18億2000万ドル)を上回った。特別項目を除く1株利益見通しも中心値は市場予想を上回った。