QUICK企業価値研究所アナリスト 小西慶祐(2023/02/15)
・3Q3カ月の営業利益率10%台乗せを評価
23/3期通期の連結営業利益見通しについて会社側は、上期決算発表時(22年11月)に上方修正した従来計画の1700億円(前期比95%増)を据え置いた。今期に過去最高を更新する見込み。他方、企業価値研究所では、強めの営業利益予想を、1800億円→1900億円(同2.2倍)に再度増額する。4Q以降の為替レートの前提を1ドル=148円→130円と円高方向に見直したが、3Q3カ月の営業利益率が値上げや販売費用の削減から10%台に乗せ、予想以上に収益性が高まったことを評価。会社計画より強めの予想を継続する。
・アセアンへ経営資源集中、アライアンス活用にも期待
続く24/3期以降は、為替円高の進行、半導体不足の長期化、船舶不足などを考慮し、営業利益予想を減額する。ただ前期比較では、営業利益の拡大が続くとの見方を変えない。24/3期以降は、アセアンへの経営資源の集中が寄与しよう。「トライトン」を手始めに、「エクスパンダー」のフルモデルチェンジ、新型車の投入などが予定されている。また、欧州ではルノーからのOEM供給が始まるなどアライアンスを活用した先進国での販売伸長も期待できると考えている。
・リスクファクター ~為替動向、原材料価格高騰など
・アナリストの投資判断 ~一段の利益拡大を映し株価も上値を追う展開を予想
直近の株価に基づく翌24/3期の当研究所予想PERは6倍。同社の過去60カ月の平均PER9倍との比較では、割安感がある。今後の株価は、為替動向に注意を要するが、アセアンへの経営資源の集中による一段の利益拡大を映し、上値を追う展開を予想する。
(提供:QUICK企業価値研究所)
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