【NQNニューヨーク=松本清一郎】16日の米株市場で値動きが目立った銘柄は以下の通り。△は上昇、▲は下落。
◎バイオ製薬のシアトル・ジェネティクス(SGEN) △13.3%
15日夕に発表した22年10~12月期決算で売上高が市場予想を上回り、1株損失は市場予想より小さかった。23年12月期通期の売上高見通しは市場予想を1億ドル下回ったが、4月に承認が見込まれるがん治療薬「Padcev」の売上高を会社予想に織り込んでおらず、保守的すぎると受け止められた。
◎通信ソフトのトゥイリオ(TWLO) △14.2%
22年10~12月期決算に併せて15日夕に発表した23年1~3月期見通しの売上高は市場予想をわずかに下回ったが、1株利益は市場予想を明確に上回った。10億ドルの自社株買いと、ジェフ・ローソン最高経営責任者(CEO)が個人的に1000万ドルの株式を買うことも明らかにした。13日には従業員の17%削減も発表しており、アナリストからは「収益改善への経営者の意思が確認できた」との評価があった。
◎ネットワーク機器のシスコシステムズ(CSCO) △5.2%
15日夕に発表した22年11月~23年1月期決算で売上高と1株利益が市場予想を上回った。2~4月期予想も市場予想を明確に超えた。供給網の問題が収束し、出荷が加速している。定期課金収入が見込めるソフトウエア事業へのシフトも成長を支える。決算を受け、アナリストの目標株価引き上げが相次いだ。
◎動画配信機器・サービスのロク(ROKU) △11.2%
15日夕に発表した22年10~12月期決算で売上高が市場予想を上回り、調整後EBITDA(利払い前・税引き前・償却前損益)の赤字幅は市場予想より小さかった。23年1~3月期見通しの売上高は市場予想を上回り、経営陣は24年12月期通期に調整後EBITDAを黒字化する計画を明らかにした。利用者数の拡大で広告収入が収益改善に寄与する。
◎クラウドの監視・分析のデータドッグ(DDOG) ▲7.0%
16日発表した22年10~12月期決算の売上高と1株利益は市場予想を上回ったが、同時に発表した23年1~3月期と12月期通期の売上高と1株利益は市場予想に届かなかった。決算説明会で「12月末にかけて顧客のサービス利用が予想以上に減速した」と説明した。特にネット通販や食品配達などの大口企業の利用が鈍かったという。
◎ネット通販支援のショッピファイ(SHOP) ▲15.9%
15日夕に発表した22年10~12月期決算の売上高と1株損益は市場予想より良かったが、23年1~3月期見通しの増収率が「10%台後半」と市場予想(20.2%)を下回った。コロナ禍で急成長したネット通販市場の減速が意識された。