QUICK企業価値研究所アナリスト 柊宏二(2023/02/16)
・3Q累計業績は過去最高。会社利益計画は据え置き
23/3期3Q累計は受注高、売上高、利益ともに3Q累計として過去最高を更新。受注高は半導体・液晶生産ライン向けシステム(CR)で大幅に伸び、空港向けシステムでも拡大。一般製造業・流通業向けシステム、自動車生産ライン向けシステムでも増加した。受注の増勢継続、過去最高の受注残高を背景に増収となり、原材料費・人件費高騰の影響を吸収した。会社は23/3期通期計画の受注高、売上高を100億円増額したが、利益(営業利益570億円)は原材料費高騰などを織り込み据え置いた。
・最高益更新が続くと予想。利益予想は据え置く
企業価値研究所は同社業績の予想(23/3期~25/3期)について、CRを中心に好調な受注を考慮し売上高を増額。利益は直近の回復が弱い印象があり、原材料費等コストの増加も踏まえ据え置く。ただ、豊富な受注残を背景とした増収効果により、最高益更新の継続を予想。23/3期の会社修正計画は超過達成を見込む。配当は当面増益に伴い増配基調が続くと予想する。会社は今般、株式分割(1株→3株)を行う方針を発表。流動性向上、投資家層拡大に資する施策として評価したい。
・リスクファクター ~想定以上のコスト高、円高など
・アナリストの投資判断 ~当面復調傾向が続くと予想
株価は21年初に過去最高値1万3500円を付けた後は軟調。22年12月に一時6090円まで下げたが、23年に入り復調傾向に。現状の当研究所の23/3期予想PERは約22倍。セクター平均に対し高いが、同社の過去5年平均(約30倍)を下回り、同社としては割安感があるとみる。利益回復が弱い感はあるが、好調な受注を背景とした緩やかな増益や増配への期待、株式分割への期待などを下支えに、当面の株価は復調傾向が続くと予想する。
(提供:QUICK企業価値研究所)
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