QUICK企業価値研究所アナリスト 谷林正行(2023/02/27)
・IRAの効果を見込まず今期は営業22%減益を予想
企業価値研究所は23/3期の連結予想営業利益を3200億円→2800億円(前期比22%減)に引き下げた。中国市場の業況悪化などで減額した。なお会社側は米国のインフレ抑制法(IRA)の適用を受ける可能性が高く、今期400億円程度のメリットを受けるとしているが、細則が決定していないとして会社側は業績計画に織り込まなかった。当研究所の予想にも織り込んでいない。来期以降は主要セグメントいずれも増益に向かうとみて2桁増益が続く見通し。
・当面の注目ポイントは中国市場の回復に
コロナ禍などで中国市場での販売は低迷し、3Qはさらに落ち込んだが、景況感を示す中国購買担当者景気指数(PMI指数)をみるとこの1月は好不況の目安となる50を上回った。同社の中国向けビジネスの回復状況を注視したい。
・23/3期3Q累計は営業15%減益
23/3期3Q累計の連結営業利益は2342億円(前年同期比15%減)となった。原材料価格高騰・固定費増加などを販売増や価格改定でカバーできなかった。
・リスクファクター ~為替、素材価格、カントリーリスクなど
・アナリストの投資判断 ~3Qは厳しい面があったが、株式相場全体のパフォーマンスをやや上回るとみる
当研究所では今後のパフォーマンスについて、株式相場全体の値動きをやや上回るとみている。3Q決算では中国向けの不振が目立ったが、中国向けビジネスは感染拡大が収まるとともに回復していくものと考えられる。またIRAに関しても会社側が業績計画に織り込んでいないことから、株価にも織り込み切れていないとみられる。
(提供:QUICK企業価値研究所)
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