【日経QUICKニュース(NQN)】米連邦準備理事会(FRB)による利下げ観測の後退が続く。米金利先物の値動きから政策金利を予想する「Fedウオッチ」をもとに金融市場が想定する今後1年の金利パスを描くと、今年3月22日までや5月3日までの米連邦公開市場委員会(FOMC)直後と比べて大きく切り上がっている。
FRBのパウエル議長は21日、米下院での議会証言で「インフレ圧力は依然として強く、(目標の)2%に戻すには長い道のりがある」などと指摘し、インフレを抑え込む「タカ派」姿勢を示した。Fedウオッチにもとづく21日時点(日本時間22日11時すぎ時点)の政策金利パスは、今月14日に終わったFOMC直後と比べると小幅ながら切り上がっている。
今月のFOMCでは、参加者による今年末の政策金利予想の中央値を5.6%と示した。現行は「5~5.25%(中央値5.125%)」なので0.25%刻みなら年内あと2回の利上げを示唆していた。Fedウオッチから計算した現時点で市場が予想する年末の政策金利は5.2%で、市場はFOMCの見通しほどの利上げを見込んでいない。利上げ局面の終わりが近いとの見方は広がっている。
とはいえ、今年3月や5月ごろに市場で強かった早期利下げ観測は大きく後退している。これが外国為替市場での円安・ドル高の圧力の一因となっている。