【日経QUICKニュース(NQN)】三井物産(8031)の重田哲也最高財務責任者(CFO)は1日開いた決算記者会見で、2023年4~6月期の連結純利益の進捗率が通期計画対比で29%になったことを踏まえ「中期経営計画初年度の4~6月期として良い滑り出し」と述べた。ただ24年3月期(今期)の連結業績予想は据え置き、純利益は前期比22%減の8800億円を見込む。
期初の段階では商品価格の下落や新型コロナウイルス禍からのペントアップ(先送り)需要の落ち着きを受け、23年3月期(前期)からの減速を織り込んでいる。一方、業績面では上振れ要因もいくつか見られるとしたうえで、23年4~9月期の決算発表時に「アップサイド要因を確認して(通期)業績予想の見直し、あるいは追加還元の検討につなげていきたい」との認識を示した。
■4~6月期は純利益8%減 鉄鉱石価格の下落など響く
同日発表した2023年4~6月期の連結決算(国際会計基準)は、純利益が前年同期比8%減の2528億円だった。原料炭・鉄鉱石価格の下落で金属資源部門が減益となったことなどが響いた。
売上高にあたる収益はエネルギー部門や化学品部門の減少を受け、15%減の3兆1491億円だった。税引き前利益は10%減の3118億円だった。
24年3月期(今期)の連結業績予想は据え置いた。純利益は前期比22%減の8800億円を見込む。