QUICK企業価値研究所アナリスト 山藤秀明(2023/08/07)
・1Qはフジテレビの損益悪化で29%営業減益
24/3期1Qの営業利益は前年同期比29%減の56億円になった。テレビ広告収入の減少や番組制作費の増加で中核のフジテレビの損益悪化の影響が強かった。
・今通期は非放送事業の回復で3%営業増益予想
企業価値研究所は業績予想を据え置いた。24/3期の営業利益は前期比3%増の324億円の見込み。テレビ広告市場の急回復は期待し難いが、社会経済活動の正常化や不動産事業での物件売却の増加など非放送事業の回復で通期では小幅増益を予想。
来期、再来期も緩やかな増益を予想。テレビ広告収入は市場成熟化、インターネットへの広告シフトなどで横ばいの見込み。一方でコンテンツ配信事業の成長、不動産事業での投資拡大効果などで増益を予想した。
・投資有価証券売却による設備投資を評価
資本効率向上、成長投資を目的に投資有価証券を売却し、それを原資に不動産事業の投資拡大を行っている。当研究所もその動きを評価している。
・リスクファクター ~景気低迷、視聴率低下他
・アナリストの投資判断 ~株価指標は過去平均並みで当面は現値水準で推移か
長期下落基調だった株価は今年2月半ば以降上昇に転じた。東証の「市場区分の見直しに関するフォローアップ会議」でPBR(株価純資産倍率)が継続的に1倍を割り込んでいる企業に対して資本効率改善への取り組みを促す方針が示されたことで低PBR銘柄が物色された動きにのったかたち。7月以降の株価は高水準での横ばい推移だったが、1Q決算が嫌気されて下落。足元の主要株価指標は総じて過去3年平均並みになった。当面の株価は業績面から再度の上伸は期待し難いが、下値も限定的で現値水準で推移しよう。
(提供:QUICK企業価値研究所)
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