QUICK企業価値研究所アナリスト 山藤秀明(2023/08/10)
・為替差損計上で1Qの税引前損益は1762億円の赤字
24/3期1Qの税引前損益は1762億円の赤字。円安に伴いドル建負債の為替差損として4646億円を計上した影響が強かった。
・期末に向け出資企業の株価上昇期待あり
企業価値研究所は今24/3期の税引前損益について1兆1300億円を予想する。半導体設計を手掛けるアームの事業環境が厳しく従来予想を600億円減額したが3期ぶりの黒字見込み。IT企業の株価回復で投資ファンド事業の業績改善が進むとみている。株式相場の景気先行性や米国長期金利の上昇に一巡感がでてきたことから、期末に向けて出資先のIT企業の株価も上昇する可能性が高いとみている。従来と同様に四半期決算の実績を確認し順次見直したい。
・財務健全性を維持しながら攻めの投資再開の意向
投資抑制や株式売却による資金調達などで財務健全性を高めてきた。会社側は今1Q決算の説明会で「財務健全性を堅持しながら、攻めの投資も再開したい」との意向を示した。
・リスクファクター ~株式相場下落、金利上昇他
・アナリストの投資判断 ~「下値余地は限定的も本格上昇は見込み難い」との判断継続
株価は21年春から22年春にかけて大きく下落した。その後も値動きの荒い展開ながら低位横ばいが続いている。当研究所では当面の株価について、「21年春以降の株価急落で一段の下値余地は限定的ながら本格上昇も見込み難い」との判断を継続する。やはり株価上昇には投資先のIT企業の株価上昇、それを受けた本格的な業績回復の確認が必要であろう。
(提供:QUICK企業価値研究所)
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