QUICK企業価値研究所アナリスト 谷林正行(2023/08/22)
・今期の営業利益は前期比36%減益へ
企業価値研究所の24/3期予想連結営業利益は3950億円(前期比36%減)。1Q実績は減収・営業減益で想定通りの進捗だったため据え置いた。スマートフォンやPCなど半導体を用いる最終製品の回復が遅れるという見方が広がっているほか、人材不足で米国での新工場建設計画が遅れていることなどで25/3期予想を引き下げたが、来期以降大幅増益に向かうという見方に変わりはない。
・来期は業界全体を上回る成長率へ
業界団体のSEMIは7月に半導体製造装置市場の見通しを明らかにし、前工程製造装置の24年(暦年)の伸び率を15%としており、同社は2~3割程度の成長率を見込んでいる模様で、これよりも低い。ただこれはサプライチェーン問題で売上計上が23年にずれ込んだ企業があり、23年の底が浅くなったものと考えられる。サプライチェーン管理に優れた同社は、24/3期の落ち込みが大きくなる見込みだが、25/3期の成長率は業界全体を上回る公算が大きい。
・24/3期1Qは営業30%減益
24/3期1Qの連結営業利益は824億円(前年同期比30%減)となった。
・リスクファクター ~半導体の需要変動など
・アナリストの投資判断 ~上値余地は大きい。来期の回復を織り込む展開を想定
当研究所では今後の株価について、株式相場全体の値動きを上回るとみている。同社の株価は値上がりし、年初来安値から年初来高値までの上昇率は72%となったが、他の半導体株と比べて上値余地は大きいと考えられる。また今後の業績について、25/3期の回復は業界全体を上回るとみられることから、これを織り込む形で上昇するものと想定した。生成AI関連という点でも注目度が高まるとみた。
(提供:QUICK企業価値研究所)
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