【日経QUICKニュース(NQN)】三菱商事(8058)は2日、2024年3月期(今期)の連結純利益(国際会計基準)が前期比20%減の9500億円になりそうだと発表した。従来予想(22%減の9200億円)から上方修正した。市場予想平均のQUICKコンセンサス9766億円(10月20日時点、12社)は下回った。
天然ガスや自動車・モビリティ、総合素材などのセグメントが順調に推移しているのを反映した。同時に発表した23年4~9月期の連結決算は、売上高にあたる収益が前年同期比11%減の9兆5610億円、純利益が35%減の4660億円だった。
12月末を基準日として普通株式1株につき3株の株式分割を行うことも発表した。年間配当は従来計画から10円引き上げ210円(株式分割前換算、前期180円)とする。
■三菱商の中西社長、「円安進行が資源安の影響打ち消す」
三菱商事(8058)の中西勝也社長は2日に開いた2023年4~9月期の決算説明会で「昨年高騰していた資源価格の沈静化は想定通りだったが、1ドル=150円と想定以上に円安・ドル高が進んだことで資源価格の下落(の影響)を打ち消した」と話した。そのうえで「(事業ポートフォリオの最適化と経営資源の再配分を進める)循環型成長モデルも進んでいる」とした。
非資源分野については「デジタルトランスフォーメーション(DX)などは当社の強みになっており、(資源の)市況にあまり影響を受けない部分を強くしていきたい」と述べた。