11日に発表された12月のQUICK月次調査<株式>は、岸田内閣の支持率が低迷する中、政治スキャンダルも表面化するタイミングでの調査となりました。また、日銀のマイナス金利解除の思惑から為替も円高に振れるなど、年末特有の相場環境になってきました。
【株を枕に年越しへ】
内閣支持率は低下を続けた期間ですが、改めてこの半年間の国内市場参加者の投資スタンスの変化を確認してみます。国内株式の組み入れ比率について当面どのようなスタンスで臨むかとの質問に対して、「引き上げる」(かなり引き上げる+やや引き上げる)の回答比率と「引き下げる」(やや引き下げる+かなり引き下げる)の比率の推移を7月調査から12月調査の6カ月間でみてみます。
結果からは、この3カ月間の投資家のスタンスは、株式の組み入れ比率を上げる方向に転換しています。特に12月においては、引き下げるが3%まで低下し、「株を枕に年越し」を考えている投資家が大勢の様子です。
【日銀はマイナス金利の解除を実現できるか?】
下の図表では、12月調査での市場参加者のセクター別投資スタンスの変化を確認してみます。日本銀行の植田和男総裁、氷見野良三副総裁から、マイナス金利解除を意識させる発言が続きました。こうした中、引き続き、金融セクターのウエートを上げるスタンスが確認されます。また、それに伴う円高を想定し、内需関連の通信もウエートを上げる方向です。一方で、中国景気の失速を想定してか鉄鋼・機械のウエートは下げる方向です。デフレからの脱却には、大切な局面。日銀の適切な金融政策運営が期待されます。
*「オーバーウエート」の回答比率から「アンダーウエート」の比率を引いた数値を%表示
【ペンネーム:コモちゃん】
調査は12月5~7日にかけて実施し、株式市場関係者141人が回答した。
QUICK月次調査は、株式・債券・外国為替の各市場参加者を対象としたアンケート調査です。1994年の株式調査の開始以来、30年近くにわたって毎月調査を実施しています。ご関心のある方はこちらからお問い合わせください。>>QUICKコーポレートサイトへ