日経平均株価がバブル経済崩壊後の高値圏で推移するなか、個人投資家の待機資金が急増している。証券会社の口座で待機資金を運用するマネー・リザーブ・ファンド(MRF)の純資産総額(残高)は17日、過去最高の15兆5796億円を記録した。QUICK資産運用研究所の集計でわかった。
17日時点のMRFの残高は昨年末時点と比べて5000億円ほど増加した。年初から国内株式などに利益確定の売りが膨らみ、その資金がMRFに流れ込んでいるとみられる。国内株式市場では日経平均株価が15日の取引時間中に1990年の2月以来、約33年11カ月ぶりとなる3万6000円台を一時上回るなど、今年に入って急騰している。MRF残高のこれまでの最高は2023年9月14日の15兆5479億円だった。
一方、今年1月から新しい少額投資非課税制度(NISA)が始まり、投資信託(上場投資信託=ETFを除く追加型株式投信)には年初からの累計で5000億円(推計値)を超える資金が流入している。その大半は待機資金の受け皿としてMRFを活用していないSBI証券や楽天証券などを経由しているとみられ、流入先は全世界株式や米S&P500種株価指数に連動するインデックス型(指数連動型)に集中している。