1月末時点の国内公募投資信託の純資産総額(残高)はQUICK資産運用研究所の推計で141.68兆円(前月末比2.25兆円増)となり、初めて140兆円を超えた(図表)。過去最高の更新は3カ月連続となる。ファンド本数は前月末と同じ5913本だった。
■7割のファンドがプラスリターンを確保
内訳をみると、ETF(上場投資信託)の残高が過去最高の55.47兆円(前月末は54.81兆円)、ETF以外は86.21兆円(同84.62兆円)にそれぞれ増えた。1月は月末にかけて米国発で世界の株式市場が混乱し、29日に米ダウ工業株30種平均が1日で620ドル下落、節目の3万ドル割れとなるなど動揺が走った。そんななかでも月間では個別ファンドの約7割がプラスリターンを確保、ETFを含め投信市場全体に1兆円弱の資金が流入したことで残高増となった。株高傾向で利益確定売りなどが続き、待機資金の受け皿となるマネー・リザーブ・ファンド(MRF)も過去最高の13.94兆円に増加した。
■株高でも日銀のETF買い入れ続く
日経平均株価も月末に急落したが、それまでは1月25日に終値が1990年8月3日(2万9515円)以来、約30年半ぶりの高値(2万8822円)を付けるなど堅調に推移した。この株高にあっても日銀は1月に4度のETF買い入れを行った(設備・人材投資を支援するための買い入れを除く)。
2月2日に日銀が公表した「営業毎旬報告」(1月31日時点)によると、日銀が保有するETFは簿価ベースで35.57兆円。黒田東彦総裁は1月27日の参院予算委員会で、ETFの含み益が試算ベースで12兆~13兆円程度あることを明らかにした。