11月末時点の国内公募投資信託の純資産総額(残高)はQUICK資産運用研究所の推計で135.72兆円(前月末比10.79兆円増)となり、過去最高を更新した(図表1)。歴史的な世界株の上昇で運用益が増え、投信残高を大きく押し上げた。
■ETF残高、初めて50兆円を突破
11月は新型コロナウイルスのワクチン開発進展や米大統領選の通過などが好感され、世界の株式相場が上昇した。国内でも日経平均株価が29年ぶりに2万6000円台を回復。国内公募投信はこれまで最高だった9月末時点の126.51兆円を大幅に上回り、2カ月ぶりに過去最高記録を塗り替えた。
内訳をみると、ETF(上場投資信託)の残高が11月末時点で53.26兆円(同6.19兆円増)となり、初めて50兆円を突破した。このうち日銀が保有するETFは、簿価ベースで35.14兆円(同0.37兆円増)に増加(日銀「営業毎旬報告」参照)。日銀保有分以外も国内株式の上昇を主因に5.82兆円の大幅増加となった。
■ETF以外の残高も増加、MRFが過去最高
ETF以外の投信残高も増えた。11月末時点で82.47兆円となり(同4.60兆円増)、2018年1月以来の80兆円台を回復した。
日経平均株価やダウ工業株30種平均が歴史的な水準に上昇したことで、利益確定の動きも膨らんでいる。待機資金の受け皿となるマネー・リザーブ・ファンド(MRF)は、過去最高となる13.30兆円まで残高が積み上がった(図表2)。
(QUICK資産運用研究所=石井輝尚)