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日経平均株価とは?日経平均を活用して株取引をしよう!

市場用語再点検!日経平均株価

(この記事は2024年4月11日に公開したものを再構成しました)

【QUICK Money World 荒木 朋】「日経平均株価、34年ぶりに最高値更新」――。2024年2月22日の東京株式市場は歴史的な日を迎えました。日経平均株価が1989年末の大納会で付けた水準(3万8915円)を上回り、34年ぶりに史上最高値を更新したのです。それから一週間あまりで日経平均株価は4万円に上昇しました。先行きの予想では、いずれ10万円を目指すとの声もあります。

ニュース番組などで株・為替といったマーケット情報が報道される際、必ずその動向が伝えられるのが「日経平均株価」です。株式投資をするうえで重要な指標の1つになる日経平均株価の基本的な仕組みを説明するとともに、日経平均株価を構成する銘柄やその特徴、さらには日経平均株価の取引の仕方やその活用方法などについて詳しく解説します。

日経平均株価とは?

日経平均株価とは、 東京証券取引所プライム市場(=以前の東証第一部に相当)に上場する1655銘柄(24年2月28日現在)の中から選ばれた225銘柄の株価を基に算出される指数で、単位は円・銭で表示されます。日経平均株価は「日経平均」や「日経225」などとも呼ばれています。

日経平均の算出は、基本的には単純平均の考え方、つまり「225銘柄の株価合計÷225銘柄」で計算されます。ただし、分子となる225銘柄の株価合計は、各採用銘柄の株価に、株価水準の高低による影響を調整するために用いる「株価換算係数」を掛け合わせた値「採用株価」の合計とします。分母は、指数の連続性を維持するため、銘柄入れ替えや株式分割・併合など市況変動以外の要因で生じる株価変動を修正した特別な値「除数」を用います。

日経平均の計算方法

上記のように、225銘柄の採用株価の合計を除数で割った値が日経平均株価となります。この算出方法は、米株式市場を代表する株価指数「ダウ工業株30種平均」と同様であるため、「ダウ式」と呼ばれることもあります。

日経平均株価の採用銘柄は、東証プライム市場に上場する銘柄のうち、売買の活発さなど市場流動性の高い銘柄を中心に、セクター(技術、金融、消費、素材、資本財・その他、運輸・公共の6分類)間のバランスを考慮して選定されます。日経平均株価の構成銘柄には、トヨタ自動車(7203)やソニーグループ(6758)、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)など日本を代表する企業が並んでいます。

日経平均株価採用銘柄ヒートマップ

 

日経平均株価の算出開始は1950年9月7日。当時は東証が算出し「東証修正平均株価」として公表していましたが、1970年7月に日本経済新聞社が指数の算出・公表を引き継ぎました。算出開始から70年を超える長い歴史を誇り、日本の株式市場を代表する株価指数の1つになっています

年2回実施される構成銘柄の「定期見直し」

日経平均株価を構成する225銘柄は毎年、4月の第1営業日10月の第1営業日に指数算出元の日本経済新聞社が定期的に実施する「定期見直し」により入れ替えが行われます。指数としての指標性や連続性を維持し、構成銘柄の市場代表性を点検することが定期見直しの目的です。

定期見直しでは6分類したセクター(技術、金融、消費、素材、資本財・その他、運輸・公共)間の過不足を考慮しつつ、市場流動性の高い銘柄を新たに採用し、低くなった銘柄を除外するのが基本ルールです。

2023年の定期見直しでは、4月にオリエンタルランド(4661)、ルネサスエレクトロニクス(6723)、日本航空(9201)の3銘柄が新たに採用され、代わりに東洋紡(3101)、日本軽金属ホールディングス(5703)、東邦亜鉛(5707)の3銘柄が除外されました。10月はメルカリ(4385)、レーザーテック(6920)、ニトリホールディングス(9843)が新規に採用される一方、日本板硝子(5202)、三井E&S(7003)、松井証券(8628)が除外されました。

2024年は4月の定期見直しで、ZOZO(3092)、ディスコ(6146)、ソシオネクスト(6526)の3銘柄が新たに採用され、宝ホールディングス(2531)、住友大阪セメント(5232)、大平洋金属(5541)の3銘柄が除外されることが決まりました。

銘柄入れ替えには、年2回実施される定期見直しとは別に、構成銘柄が経営再編などで上場廃止になった場合などに不定期に銘柄を補充する「臨時入れ替え」もあります。

日経平均株価構成銘柄の変更履歴

日経平均株価の指数の特徴として、株価水準が高い銘柄ほど構成銘柄に占めるウエート(割合)が高くなり、その結果、その銘柄の株価変動が指数に与える影響も大きくなる傾向があります。株価が高い銘柄は「値がさ株」とも呼ばれますが、日経平均株価は前述の通り、一部修正はあるものの、構成銘柄の株価(採用株価)の平均値によって算出されるためです。そのため、株価水準の低い銘柄(低位株)よりも高い銘柄(値がさ株)の値動きにより指数が左右されるというわけです。

日経平均株価の採用銘柄の株価指数に占める構成比率は2024年6月21日時点において以下のようになっています。

日経平均個別・セクター別構成比上位一覧

構成比率1位のファーストリテイリングは1銘柄だけで、10.25%を占めています。2位の東京エレクトロン(8.87%)、3位のソフトバンクグループ(5.03%)、4位のアドバンテスト(3.92%)、5位の信越化学工業(2.57%)の合計5銘柄で構成比率が30.64%に達しています。これらの銘柄の株価が大きく変動すれば、日経平均株価の変動も大きくなります。

日経平均が225銘柄の理由は?

日経平均株価を構成する銘柄数が225なのは何故なのでしょうか。これに関して、日本経済新聞社は「指標性を保つために、売買高の多い銘柄を全業種からバランスよく選んだところ、この銘柄数になったとされています」と説明。そのうえで「いまでは『日経225』『Nikkei225』との通称で世界中で広くご利用いただいている実態を尊重し、この『225銘柄からなる株価指数』という基本コンセプトを大事に継承していきたい」としています。

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日本の代表企業の株価を指数化、内外投資家が注目

「株価は経済を映す鏡」とよくいわれます。株価指数は日本政府による経済統計の構成項目の一部としても使われ、内閣府が公表する「景気動向指数」では東証株価指数(TOPIX)が数カ月先の景気動向を反映する「先行指数」の指標の1つに採用されています。

日経平均株価は日本を代表する主力企業225銘柄の株価を指数化しており、日本の株式市場全体の動向を測る1つの指標になることから、その株価動向には国内・海外を問わず多くの投資家が注目しています。日経平均株価の値動きを追うことで、日本の主力企業の現状および先行きの業績や景気の良し悪しの方向性が見えるという側面があるからです。日経平均株価が上昇トレンドにあれば、構成銘柄全体の業績や景気見通しに関して相対的に楽観的にとらえる投資家が多い傾向にあることを示唆しており、反対に下落基調にあればその見通しを慎重に見ている投資家が多いと予想することができそうです。

注意が必要なのは、経済や投資のグローバル化が一段と進んだ結果、日経平均株価の動向は国内の景気や企業業績のみならず、世界各国の経済・金融情勢などの影響を今まで以上に受けやすくなっている点です。株価の変動要因が国内・海外の材料に幅広く広がっているという現状を踏まえ、国内経済指標や企業の決算内容の把握はもちろん、海外経済の動向や世界各国の金融政策、戦争や災害、社会情勢の変化に至るまで、様々なニュースに常にアンテナを張り巡らせ、それらの情報をこまめにチェックすることが重要です。

 

日経平均を取引する方法とは?

日経平均株価は2008年に起きたリーマン・ショック後の2009年3月にバブル後の最安値(7054円)を付けた後、株価は徐々に持ち直し、2012年末以降の第2次安倍政権で取り組んだ経済・金融政策「アベノミクス」をきっかけに日経平均は上向くことになりました。そして、2024年についにバブル後の高値を更新し、日経平均は未知の領域へと突き進むことになりました。

日経平均ヒストリカル

日経平均に対する注目度が一段と高まるなか、日経平均を取引するにはどうすればいいのでしょうか。実は日経平均株価は株価指数のため、個別銘柄のように直接投資をすることはできません。その代わりに、日経平均株価に連動して動く金融商品に投資するという方法があり、代表的な金融商品として投資信託や上場投資信託(ETF)、先物取引などが挙げられます。

個別銘柄と同じ感覚で取引できる日経平均連動ETF

このうち、ETFは証券口座で個別銘柄を売買するのと同じ感覚で取引ができます。一般的な投資信託は1日1回算出される基準価額で取引されますが、ETFは東証などの金融商品取引所に上場しているため、取引所の取引時間内であれば自由に市場価格でリアルタイムに売買することができます。日経平均株価は、1日の取引時間内に個別の材料や海外市場の動向などあらゆる要因を受けて上下に変動しますが、日経平均株価に連動するETFならそうした相場の動きを見ながら機動的に売買できるというメリットがあります。信用取引も可能です。

日経平均株価連動型のETFは多数上場しています。通常の連動型ETFのほかに、日経平均株価の2倍の値動きとなるように運用するETFや逆相関の値動きを目指すETFもあります。

通常の連動型ETFでは、野村アセットマネジメントが運用する「NEXT FUNDS 日経225連動型上場投信」や日興アセットマネジメントが運用する「上場インデックスファンド225」、三菱UFJアセットマネジメントが運用する「MAXIS 日経225上場投信」などがあります。

日経平均株価の2倍の値動きを目指すETFでは、野村アセットマネジメント運用の「NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動上場投信(日経レバ)」が有名です。日経レバは、日々活発な取引が行われており、流動性が非常に高く、東証の売買代金ランキングではこれまで1位になることがあるなど、個人投資家の間でも人気の高いETFになっています。

先物取引では、日経225先物日経225miniが挙げられます。先物取引は、あらかじめ定められた期日に現時点で取り決めた価格で売買することを約束する取引で、他の金融商品よりも高いレバレッジをかけることができるのが特徴の1つです。日経225先物の取引単位は、日経平均株価を1000倍した金額が最低取引単位(1枚)となります。一方、日経225miniは取引単位が日経225先物の10分の1に小口化された商品です。例えば日経平均株価が4万円の場合、日経225先物の最低取引金額は4000万円、日経225miniは400万円ということになります。

銘柄選択のわずらわしさや倒産リスク回避などメリット

ETFや先物取引を活用して日経平均株価を取引するメリットは何でしょうか。1つは個別銘柄選びのわずらわしさを省き、代表的な日本企業に投資できる点が挙げられます。2024年2月末時点で東証プライム市場だけで約1700社、スタンダード・グロース市場なども含めると国内には4000社近くの上場銘柄が存在しています。

将来の有望企業を発掘するという作業は、確かに株式投資の醍醐味の1つではあります。ただ、代表的な日本企業を幅広く分散して投資したい場合には、個別銘柄の分析や選別をする必要がない日経平均株価連動型の商品を取引することは有効な選択肢の1つになるでしょう。

また、個別銘柄の投資をする際に考慮すべき倒産や上場廃止などのリスクを考えずに済む点もメリットといえそうです。

 

日経平均で利益を得るコツや注意点は?

日経平均株価は指数算出の性格上、1単元当たりの株価水準が高い「値がさ株」と呼ばれる銘柄が指数全体の動きに強く影響するという性質があります。日経平均株価の指数に占める各構成銘柄の割合(構成比率)をみると、前述の通り、ファーストリテイリングや東京エレクトロン、アドバンテスト、ソフトバンクグループ、信越化学が上位5位を占めています。1銘柄だけで11%のウエートを占めるファーストリテイリングは別格として、全体では電気機器や精密機器などのハイテク関連が含まれる技術セクターのウエートが高いのが特徴です。

このため、米国で同じくハイテク企業やインターネット関連企業の比率が高いナスダック総合株価指数の動きが日経平均株価にも大きな影響を及ぼすといわれています。

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経済や投資のグローバル化が一段と進んだことで日経平均株価は海外要因の影響を受けやすくなっています。その中でも海外動向を探る物差しの1つとして、日経平均株価への影響度合いが大きいとされる米ナスダック総合株価指数の動向をチェックすることは欠かせなくなっています。

当日の日本株相場の動きを予測するうえで、前日の米株式市場の動向を見ることは今も昔も変わらず重要な判断材料になっていますが、とりわけナスダック総合株価指数とその構成銘柄のセクターの騰落状況を把握することは重要なステップの一歩になります。

いまでは米国の巨大テック5社「GAFAM」(アルファベット=グーグルの親会社、アマゾン・ドット・コム、メタ・プラットフォームズ=旧フェイスブック、アップル、マイクロソフト)にAI半導体のエヌビディアを加えた「GAFAM+N」が、ここ数年の米ハイテク株および米全体の株価指数をけん引しているのが現状です。こうした米ハイテク企業の業績や株価動向を加味・分析した投資戦略を実行することができれば、日本株取引の利益の最大化につながる可能性が高くなるでしょう。

まとめ

日経平均株価は日本の株式市場を代表する株価指数の1つで、トヨタ自動車やソニーグループ、三菱UFJフィナンシャル・グループなど日本を代表する225銘柄が構成銘柄になっています。日本の株式市場全体の動向を測る1つの指標になることから、その株価動向には国内・海外を問わず多くの投資家が注目しています。

日経平均株価自体を取引することはできませんが、投資信託や上場投資信託(ETF)には、日経平均株価に連動した動きを目指す金融商品が数多く存在し、個人投資家は自由に売買することができます。史上最高値を更新した日経平均株価の注目度は一段と高まっています。日本経済の状況把握や株式投資のツールなど自分自身の状況に合わせて日経平均株価をぜひ有効的に活用してみてください。

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著者名

QUICK Money World 荒木 朋

1998年にQUICKに入社。2003年から11年間、日本経済新聞社、日経QUICKニュース社(NQN)で記者職に就く。0609年にNQNニューヨーク支局に駐在。1820年はQUICKロンドン支店に赴任。08年のリーマンショック、20年のBrexitはいずれも現地で取材した。QUICK退社後、ボクシングトレーナーとして働く傍ら、21年から「QUICK Money World」に寄稿。


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