【日経QUICKニュース(NQN)】三菱商事(8058)は2日、2025年3月期(今期)の連結純利益(国際会計基準)が前期比1%減の9500億円になりそうだと発表した。株式を保有するローソンの再評価益や一部炭鉱の売却益を見込むが、金属など資源分野が苦戦する。市場予想のQUICKコンセンサス(16日時点、11社、1兆649億円)を下回った。
年間配当は1株あたり前期比30円増の100円とした。
同日発表した24年3月期(前期)の連結決算は、売上高にあたる収益が前の期比9%減の19兆5676億円、純利益は18%減の9640億円だった。原料炭などの資源高が一服したことが響いた。
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■三菱商事株が後場下げ幅拡大 今期最終減益、市場予想も下回る
三菱商は後場下げ幅を拡大した。前日比103円(2.83%)安の3531円まで下落する場面があった。13時に2025年3月期(今期)の連結純利益(国際会計基準)が前期比1%減の9500億円になるとの見通しを発表した。好業績への期待を先取りした買いで、12時30分過ぎに3775円と株式分割考慮ベースの上場来高値を更新していたとあって、減益予想を嫌気した手じまい売りに押された。
液化天然ガス(LNG)関連事業やLNG販売事業における市況下落に伴う、資源分野の減益が重荷となる。KDDI(9433)と50%ずつを出資する持ち分法適用会社になるローソンの再評価益や一部炭鉱の売却益が貢献するものの、補いきれない。純利益は市場予想の平均であるQUICKコンセンサスの1兆649億円(11社、4月16日時点)を下回った。
一方、年間配当見通しは1株あたり100円と前期の70円から増配する。配当性向は前期の30%から42%に高まる見込みで、株主還元の強化は株価の下支え要因となっている。