【NQNニューヨーク=戸部実華】英半導体設計のアーム・ホールディングスが8日夕に発表した2024年1~3月期決算は、売上高が前年同期比47%増の9億2800万ドルだった。QUICK・ファクトセットがまとめた市場予想(8億6590万ドル)を上回った。併せて示した4~6月期の業績見通しも市場予想以上となったものの、25年3月期通期の見通しは物足りないと受け止められ、時間外取引で株価は下落した。
1~3月期の売上高の内訳をみると、人工知能(AI)向けの需要拡大の追い風が続き、ライセンス関連が60%増えた。ロイヤルティー収入も37%伸びた。半導体業界が回復するなか「スマートフォン向けが力強く伸びた」と説明した。クラウドサーバーや自動車向けも良好だった。
純利益は75倍の2億2400万ドルだった。特別項目を除く1株利益は0.36ドルと、市場予想(0.30ドル)以上だった。
4~6月期の売上高は8億7500万~9億2500万ドル、特別項目を除く1株利益は0.32~0.36ドルを見込む。ともにレンジの下限でも市場予想(8億6640万ドル、0.31ドル)を上回る。もっとも、25年3月期通期の売上高見通しは38億~41億ドルと、中央値は市場予想(39億8000万ドル)に届かなかった。特別項目を除く1株利益は1.45~1.65ドルを見込み、市場予想(1.54ドル)並みとなった。
8日の時間外取引でアーム株は売りが優勢だった。通常取引を前日比1.6%安の106.07ドルで終えた後、終値を10%ほど下回る場面があった。8日終値は、ナスダック市場に上場した昨年9月14日の終値(63.59ドル)と比べ7割近く高い水準にあり、利益確定売りも出やすかったようだ。